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成人看護学実習で学んだ事や感想



成人看護学実習で学んだ事

2年次に大学附属の病院へ2週間実習に行きました。基礎看護学の分野での実習だったため、3年次の実習のような本格的な看護介入というよりも、どちらかといえば患者さんの「安全・安楽・自立」を考えたときにどのような働きかけが必要であるかという視点での看護実習でした。

その実習で立てた目標は2つで、1つ目は、看護計画を立てる上でどのような思考の過程を経ているのか、またその上での大切なことについての学びを深めること。

そして2つ目は、病院内における看護職や看護援助のあり方についての学びを深めることです。それらの目標を持って臨地実習で学んだことを目標ごとに述べます。

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1つ目

目標である、「看護計画を立てる上でどのような思考の過程を経ているのか、またその過程での大切なことについての学びを深めること」についてです。

今回の看護実習ではこの目標に関して下記のようなことが学びと感想です。

それは、看護計画を立てる上で大切なことは、要因の要因を追求することだということです。今まで、授業では「根拠に基づいたケアを行う」と、教わってきましたが、私の中での根拠とは例えば、「駆血帯を巻く理由は、駆血することにより血管を怒張させ採血しやすくするため」などの技術面におけるものだと考えていました。

しかし、今回の実習を経て「根拠に基づいたケアを行う」ことのもう一つの意味を認識することができたのではないかと考えています。それは、“なぜそのケアが必要なのか”ということを考えたときに、その要因で立ち止まるのではなく、“ではなぜその要因が存在しているのか”という要因の要因まで追求し、考えられる可能性を全て洗い出して、実際に患者の情報を照らし合わせて紐付けることが大切だと感じたからです。

患者について細かく分析すればするほど把握しなければならない情報量が増え、患者に近づきアセスメントすることで、個別性があり、かつ根拠に基づいたケアプランになるのだと考えました。

日々の観察やコミュニケーションから得られる情報だけではなく、フィジカル面や検査データなど、多角的に患者を捉える必要があり、その結果、全体像や看護ニーズを把握することができます。

要因の要因を知るということは、患者を全人的に捉える上で必要なことです。つまり、要因の要因には必ず生活背景や既往歴、家族関係やその人の価値観などが影響していて、それらを把握して生活者として患者を捉え、ケアプランに反映させることによって個別性を重視した根拠をもった看護実践へ繋がる事を学びました。

「個別性」と一言で片付けてしまうのは簡単で、今まで具体的なイメージがつかず、その言葉の意味について深く理解できていませんでした。

しかし、実際に一つの看護問題に介入して行く中でその意味を学ぶことができました。それは、要因の要因に生活者としての患者があるということの他に、クリニカルパスや一般的な疾患に対する知識などの共通性を理解しているという前提がなければ、患者の個別性を見出だすことはできないということです。

つまり、共通性を理解していなければ個別性を理解することはできず、個別性を重視した看護を行うことはできないということです。これは、看護をする上ではとても大切な考え方だという事が学びとしての感想です。

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2つ目

目標である、「病院内における看護職や看護援助のあり方についての学びを深めること」についてです。この目標に関しては3つの学びを得ることができました。

1つ目

患者と看護師の間には相互作用が働いているということです。患者に関心を向けて、気遣いをしながら関わっていく中で、患者との間に関係性を構築できたと感じたときや、患者の目に見える変化を把握できたとき、患者が今までできなかったことができるようになったときなどは、素直に人として「嬉しい」という感情を抱きました。

逆に、患者の辛い気持ちや状況を想像して思いを寄せると、悲しさが込み上げてきたときもありました。そしてそのとき、さらにこの患者のために私ができることは何だろうと考え、私ができることは実行したいと感じました。

こうしたことから、患者と看護師の間には相互作用があり、「患者—看護師または看護学生」という関係ではなく、「人間—人間」として関わっているのだなと感じました。

先生はこれを「ケアリング」という言葉で教えてくれましたし、さらに「患者と関わること自体がケア」とも教えてくれました。私は看護実習を通してその言葉の意味を実感できました。そして、“看護師は患者に育てられている”ということを頭に入れておくことが大切だと学びました。

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2つ目

患者自身が治療やケアに主体性を持っていくことの重要性です。具体的には、

  • 患者自身がそのケアの目的を理解すること
  • 意思決定を行っていくこと
  • 目標を看護師と共有すること

などで主体性を持つことができると考えています。

患者が主体性を持つことで、要因に基づいたケアプランを立案・実行していく上で、患者の尊厳を守ることができるだけでなく、患者がケアの効果を実感しやすいことや、起こりうる問題を予測して回避することのできる可能性が高いと考えました。

さらに、最後まで患者が自分で意思決定していくことで、患者が結果に責任を持ち、看護のケアの「安全・安楽・自立」という3つの軸のうちの「自立」をサポートすることができるのではないかと考えました。

患者がケアの目的を理解したり、自己決定をしていくことでケアに主体性を持ち、自分の目標や理想に近づいていくことが大切で、看護師はそのサポートを行っていくことが看護援助における役割の一つだと感じました。

患者の持っている力をいかに引き出していけるか、いかに患者がその人らしくいられるかという視点でケアプランを練り、実行していくことが重要だと考えました。

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3つ目

患者にケアへの主体性を持ってもらう上での看護師の説明能力についてです。患者にケアを拒否された場合、どのように説明すれば納得してもらえるのかということについては、タイミングや手段を変えてアプローチしていく他に、看護師がその大切さや今の状況には必要なことであるということを患者に気付かせていくための説明能力がなければならないと痛感しました。

「やりたくない」という気持ちがあるのは、人として当然のことだと思いますし、その気持ちを尊重することもまた大切です。

しかし、その気持ちを尊重することが果たして本当に患者のためになっているのか、長期的に考えたらこのままでは患者の目標に到達するのには時間がかかる、もしくは到達できないのではないのか、ということを考えて行動していかなくてはならないと感じました。

看護師がいかに根拠をもって動機付けすることができるのか、ということが患者の入院生活および退院後の生活に大きく関わってくるため、入院直後から退院後を見据えて入院生活をどのように過ごすか、という視点が看護において大切な視点だと感じました。

そのような視点をもって患者に携わるためにも、先述にあるように信頼関係の構築というのはケアにおいてとても大切です。

信頼関係を構築していない限りは、患者中心のケアはできないと言っても過言ではないのではないでしょうか。いずれ看護師として働くときには、処置や新しいことを覚えることに精一杯になってしまいそうですが、決して風化させてはならない学びだと感じました。

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成人看護学実習を経て

看護の持つ力の大きさやその重要性を感じました。例えば、痛みについてです。私は今回の看護実習をするまで、痛みについて深く考えたことはありませんでした。

しかし今回の実習で、痛みという症状は、患者にとって最も不快な感覚であり、身体的苦痛に加えて不安や恐怖、焦り、絶望感、孤独感といったさまざまな精神的苦痛をもたらすということを学びました。

さらに、それらが痛みの増強因子となっているということも大きな学びでした。そこで、そういった薬剤では対処しきれない要因に対処できるのが看護の力だと感じました。

特に、主観的な感覚でしかなく、相手に伝えるのが難しい痛みという苦痛の体験を訴える患者の思いに添うことが、看護師には求められていることなのではないでしょうか。そのためには、痛みの一般的なメカニズムや概念などの知識と、現在の痛みがどの段階で、どの程度の痛みなのかという患者の抱える痛みの情報・生活者としての患者の情報とを照らし合わせて、丁寧にアセスメントをしてケアしていくことが大切だと感じました。

またこの看護実習が自分の思い描く理想の看護師像や、価値観や今後の生き方について大きく影響を与えた実習となったことは間違いありません。

さらに患者との関わりの中で、看護の持つ人への影響力の大きさを実感したり、看護師である以前に一人の人としてどうあるべきかということを考え直したり、薬では治せないことを看護の力では治せるのではないかという期待を持つことのできた実習でした。

今後は、看護学生である私は1年後に長期間の実習を経験することになるので、それまでに今回学んだことをないがしろにしないように、またより多くのことを学べるように、さまざまな文献に触れて疑問を抱きながら自分の今の看護観を感化していきたいと考えました。看護実習での学びと感想です。

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