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看護学生の勉強法の疑問 レポートの書き方と注意点



Ⅰ.レポートを書く

看護学校(特に看護系大学)におけるレポートや論文で求められるのは、学術的な文章です。高校まで馴染んでいた感想文や作文とは違うので、意識的に書き方を変えなければなりません。以下に、評価されるためのレポートのマナーについて説明します。

1.レポートのマナー(書式編)


①字数

レポートは提出する際に様々な指定がなされます。これは必ず守ってください。字数制限が「~字以内」ならそれより多く書いてはいけません。かといって、極端に少なすぎるのもマナー違反です。「~程度」の場合は、±1割程度の字数にします。

②ワープロで書く

最近は特に指定がない限りは、A4用紙に横書きで書くのが普通です。1行40字で1ページ30行が標準的。レポートの末尾に、字数および文書のスタイル(たとえば、40字×30行、40,000字 など)をつけておくと親切です。

③書き言葉で書く

レポートで使用する言葉は、話し言葉ではなく、書き言葉、「である」調の文体を使わなければなりません。それに応じて、使用する語彙も、書き言葉にふさわしいものにするよう心がけましょう。

④禁則処理

行頭や行末に来てはいけない記号についての原則を忘れないようにしましょう。
行頭に来てはいけない記号 。 、 」 ) ”
行末に来てはいけない記号 「 ( “

⑤全角文字と半角文字を意識する

アルファベットや数字は半角文字を使用します。ただし、数字については一桁では全角文字(二桁以上では半角文字)で書くことも多いです。

⑥見直す

見直しは必ず必要です。提出の前に2回は見直してください。

⑦表紙をつける

特に指示がない場合は、表紙をつけます。レポートのタイトル、講義名、所属、学生番号、氏名、提出日を明記します。

⑧バラバラにならないように

しっかりホチキスでとめる。1箇所だけとめる場合には、左上をとめます(横書きの場合は右上をとめる)。2箇所とめる場合には上を2箇所とめる。なお、指示がある場合はそれに従いましょう。

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2.レポートのマナー(内容編)


①節や章をつける

レポートはある程度の量を書くことになるので、もし読書想文のように区切りなく続いていれば、読む方も読みづらく、書く方もどこに何を書いたかわからなってしまいます。これを避けるために、レポートでは、章や節を作って、まとまった内容で区切っていくことが必要です。

②節をうまく利用する

節は、どこでくぎらなければならないという決まりはなく、筆者のセンスに任されています。大まかな構成を組み立てて、それを細分化するとよいでしょう。

1.序論(はじめに)

レポートで扱う題材は何か、なぜそのテーマを取り上げたのか動機や目的を簡潔に述べます。

2.本論

本論は序論で示された方向に沿って論じましょう。テーマに沿った内容について文献や資料を用いて論理的に展開します。
文章を作成するときの注意点として、述べていること事実なのか、意見なのか、文献の引用なのか混同しないようにすることが重要です。また、本文が長い場合は、内容ごとに項目(章・節・項)に分けたり、見出しをつけるとわかりやすいでしょう

3.結論(おわりに、まとめ)

本論で論じたことをまとめ、最終的な主張や考えを明確に述べます。新たな課題や展望などを加えてもよいでしょう。

4.文献

レポートを作成するにあたり、自分の説明や主張を補足し、裏付けるために用いた分権を最後に明示します。本文中に引用した文献だけでなく、内容的に参照した文献は、自分の文章と区別して記載するルールがあります。


標準的なレポートの構成

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3.その他のルール


①段落をつくる

適当なまとまりごとに、段落をつける。10行以内で一段落を構成するのがよいといわれています。

②句読点と漢字

句読点の使いすぎや、使わなさすぎも読みにくさの原因になります。また、何でもかんでも漢字で書くのは避けましょう。「~という」「~てみる」などの補助動詞はひらがなで書くのが普通です。「いわゆる(所謂)」「また(又)」のようにひらがなで書いた方がいいものもあります。

③引用したら明記する。

 

4.手書きの場合

①用紙:一般的にはA4のレポート用紙。

②書式と文字:横書き。楷書で丁寧にボールペン(黒または青)を使用して記載する(鉛筆は不可)。以後はワープロと同様。

 

4.文献の引用

高校までは、自分の感じたことをまとめると評価されたが、大学では文献を調べていること自体が評価されるので、文献を遠慮なく参考にすることが必要です。

ただし、入手した文献から、自分で考えたかのように書き写すと「盗作」や「剽窃(ひょうせつ)」となり犯罪となるので気をつけましょう。文献の記述を用いた場合は、必ず引用のルールを守りましょう。また、引用文献は、コンマやピリオドの打ち方まで正しく書くことが必要です。

文献は、本文の引用箇所の肩に1)、2)というように番号で示し、本文原稿の最後に一括して引用番号順に整理して記載します。記載方法は以下の通りです。

1.文献使用のルール
1)本文中の記載のルール

①自分で要約して引用する場合は次のように記述します。

例1:溝上によれば、大学生が将来やりたいことに向けて行動する際、それは勉強に表れるという1)。
例2:大学生が将来やりたいことに向けて行動する際、それは勉強に表れるという指摘がある1)。
例3:・・・・・・・・・ことが証明されている2)。
例4:・・・・・・・・・と考える研究者たちもいる3,4)。

②直接引用:本文に原文を引用して使用したものは、一重カギ括弧「・・・・」で囲みます。

例5:溝上は「大学生にとって将来やりたいことに向けての行動的次元は主として勉強に表れる」1)と述べている。

③引用中の引用や括弧つきの文は二重カギ括弧(『・・・・・』)で囲みます。

④引用が長文になる場合は、頭を2段下げた特別の段落とする。その場合カギ括弧は不用です。

例6これについては次のように記されている。大学生にとって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・であった4)。

⑤直接引用は出典から正確に行う。内容の改変や前後の文脈を無視した引 用は行わないように注意しましょう。

⑥直接引用していないが、内容を要約したり参考にした文献(参考文献)についても、引用の場合と同様に、その部分の後ろに括弧をつけ、著者名と発行年次を表示します。論文全体を指す場合などには、特にページ数を明示しなくともよいです。
⑦図表の場合は、その旨を図表の表題の下に書き添える。

例7

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2.文献リストの記載方法

引用した文献は、すべて最後に一括してリストを作成します。情報の提示順序、『  』やピリオドなどの記号の入れ方などは、専門分野ごとに異なる。以下では引用文献の書き方の一例を示します。文献の記載方法は、雑誌掲載論文、単行本、翻訳本の種類によって下記のとおりです。

【雑誌掲載論文】

★著者名(発行年次):表題,雑誌名,号[通巻の場合]もしくは巻(号):ページ数.

<記載例>
佐々木真紀子(2000):便秘の患者のための看護技術,看護技術,46(2):48-61.

【単行本】

★著者名(発行年次).書名(第何版),引用ページ,発行地:発行所.

<記載例>
河野友信(1988):ストレスの科学と健康,10-20,東京:朝倉書店.

      
【編著書の中の論文の場合】

★論文著者名(発行年次):表題,編者名,所収の単行本の表題,最初のページ-最後のページ,発行地:発行所.

<記載例>
川村佐和子(2013).第2章専門家としての看護師,川村佐和子編,看護学概論(第4版),12-14,大阪:メディカ出版.

*外国文献の場合、編者名はファーストネームのイニシャルを先にし、ファミリーネームの後に(Ed. )または複数著者の場合には(Eds. )を付す。

【訳書】

★著者名[原語のまま](原典の発行年次)/翻訳者名(訳書の発行年次).表題,発行所を日本語で記す。

<記載例>
F.Nightingale(1860)/湯槙ます,薄井担子,小玉香津子,田村真,小南吉彦訳(2000).看護覚え書-看護であること・看護でないこと(改訳第6版),東京:現代社.

【インターネット】

★著者名.“Webページの題名”.Webサイトの名称,入手先,(参照日付).

<記載例>
中央教育審議会.“グローバル化社会の大学院教育―世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために―(答申).文部科学省.2011-1-31.<http://www.mext.go.jp/b_menu/singi/1301929 ).(参照2012-11-10)

では、実際のレポートの書き方を示してみましょう。

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レポート書き方例

レポート課題:「私のめざす看護」についてサブタイトルをつけて、A4レポート用紙2枚 程度で記述して下さい。


私のめざす看護 -患者に寄り添う看護-

 講義名:看護学概論
 提出日:8月31日
 学生番号:2015001
 学生氏名:○○ ○○

1.はじめに

 これから私のめざす看護について述べたいと思う。私の考える理想の看護とは、優しく患者に接すること、そして力強く患者の心に寄り添い、支えになることである。その中で、私が最も大切にすべきだと考えたのは、患者の立場に立つことである。患者の立場に立ち、患者に寄り添える看護師になりたいと思う。
 なぜこのテーマを取り上げたかというと、現在、学校で看護について学んでいるが、自分の理想としている看護観がはっきりしていなければ、ただ教えられたとおりに考えるようになり、自立した看護師として成長できないと思ったからである。そこで、ここで、私のめざす看護について明確化し、更なる授業への意欲や関心につなげていきたいと考える。

1.私の目指す看護の気づき

 私は、前期に行われている看護の専門科目である看護技術の演習の中で、患者の立場に立つ重要性について感じた。看護技術演習では患者役と看護師役のどちらも体験した。看護師役をやる時は、なるべく患者が不快な気持ちにならないように注意して行なった。しかし、その後で自分が患者役を体験してみると、看護師役をしていた時には感じていなかったことを感じたのである。
 たとえば、口腔ケアの演習では、看護師役のときは、水をこぼして患者に不快な思いをさせないよう、また、歯を磨いた時には痛みを与えないように注意して行った。しかし、自分が患者役となった時には違う思いを抱いた。それは、恥ずかしさである。他人に歯を磨いてもらうこと、口の中を見られることに恥ずかしさを感じ、少しではあるが抵抗感を覚えた。
 こういったことが臨床現場ではあらゆる場面で起こっているだろう。演習で友人にやってもらうことでさえ抵抗感を感じているのであるから、看護師に食事の援助や口腔ケア、さらには排泄の援助までしてもらうことになる患者に抵抗感がないわけがない。
 看護学概論の授業の中でルース=ジョンストンの「きいてください看護婦さん」という詩を読んだ。「ひもじくても、わたしは、自分で食事ができません。あなたは、手のとどかぬ床頭台の上に、私のお盆を置いたまま、去りました。その上、看護のカンファレンスで、私の栄養不足を、議論しました」1)、とあるように自分のことしか考えていない看護師によって、患者がどれだけ傷ついているのかがわかる。

2.患者に寄り添う看護師になるために私ができること

 では、患者に寄り添う看護はどのようにすれば行うことができるのだろうか。患者の中にはしゃべることができず、自分のしてほしいことを伝えられない人がいる。そんな時、看護師のすきなまま看護をするのではなく、患者の気持ち、私がこの状況で患者の立場だったらどんなことを、どのようにしてほしいか考えた看護をしたいと思う。
 少し前までは、医療は“受ける”ものであり、医師の言うことがすべてであった。これをパターナリズムという。パターナリズムとは、「本人の意志にかかわりなく、本人の利益のために本人に代わって意思決定すること、しかもその行為は善意によるものであることが基本である」2)といわれている。しかし、私たちは医療を“受ける”ものではなく“選択する”ものだと考えていかなければならないだろう。そこで、患者が医療を“選択する”ときに看護師は患者に寄り添っていくべきである、と私は考える。
 なぜ、医師ではなく看護師が患者に寄り添っていくべきなのかというと、看護師が、患者に関わる医療従事者のなかで最も長いこと接するからである。いいかえると、患者に寄り添って、だれよりも患者の味方になることができるのは看護師しかいないといってもいいだろう。看護師が患者の擁護者となることで、患者中心の医療に近づくと考える。
 患者の擁護者となるためには、患者を理解し、よい関係を築くことも看護師の大事な役割である。普段から患者と会話し、きちんと患者と看護師の信頼関係を築くことで、患者が看護師に気持ちを打ち明けることができ、患者の立場に立った看護へとつながっていくのである。
 さらに、看護師はどんなときにも笑顔を患者に向け、患者に元気を与えなければならない。これは、祖母が入院中に感じたことである。祖母が入院していたときに担当していた看護師は、意識のない祖母にも、元気で笑顔で看護をしていた。そんな看護師の思いやりは、意識のない祖母も感じ取っていただろうし、見ている家族である私の心まで明るくしてくれた。看護師の笑顔や元気さが、患者の心まで癒したのである。それは非常にすばらしいことであり、私はそのような看護をしたいと感じた。

3.おわりに

 これまで、患者の立場に立った看護について考えてきたが、このことが重要かつすぐに達成できない困難なことであることも分かった。しかし、ほんの一部であるが理解を深めることができた。私が看護師になった時、患者に寄り添う看護ができているかどうかわからない。しかし、患者の立場に立ち行動することへの努力は怠らないようにしたいと考える。また、仕事に慣れ、余裕が生まれ、ベテラン看護師と呼ばれるようになっても、看護を流れ作業にように機械的にしてはいけない。患者一人ひとりと向かい合い、患者に寄り添った看護師になりたいと考える。そのためには、学校生活を有意義に過ごし、学校でした経験できない様々な実習や授業をしっかりと学び、これらを看護師として生かすよう一日一日を大切にしていきたい。

(2211文字)
【文献】
1)Joyce Travelbee(1971)/長谷川浩、藤枝知子(1974).トラベルビー 人間対人間の看護、5、東京:医学書院。
2)小西恵美子編集(2007):看護倫理 よい看護・よい看護師への道しるべ、85、東京:南江堂。




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