*

【第99回】
次の文を読み[問題1] [問題2] [問題3]の問いに答えよ.
42歳の男性.会社員.2年前から単身赴任で働いている.朝食は食べず,昼食は社員食堂,夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている.週に1度は同僚と外食する.自宅での夕食時には焼酎をロックで2,3杯,就寝前にはウィスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある.

【問題1】
同僚と飲食した翌朝,腹痛と嘔気とで目が覚めた.通常の二日酔いとは異なる強い心窩部痛があったため受診した.意識は清明で呼吸困難はない.急性膵炎と診断され入院することとなった.高値で予測される血液データはどれか

  • カルシウム
  • アルブミン
  • アミラーゼ
  • α―フェトプロテイン

【解説】
急性膵炎では,膵臓の消化酵素であるアミラーゼ・トリプシン・リパーゼの血中濃度が著しく上昇する.

【正解③】

【問題2】
入院時の看護で適切なのはどれか.2つ選べ

  • 温罨法の実施
  • 水分出納の把握
  • 腸蠕動音の聴取
  • 仰臥位安静の保持
  • モルヒネによる鎮痛効果の観察

【解説】

  • × 急性炎症のため温罨法は禁忌である.
  • ○ 本疾患では嘔吐を伴うことも多い.また疼痛のために,食事や飲水がで
      きないことがある.さらに,状態によって約2000mlの体液が喪失すると
      いわれている.そのため,水分出のバランスの管理が重要である.
  • ○ 膵臓の炎症が腹部全体に及ぶため,腸の蠕動運動が低下する.したがっ
      て,蠕動音の聴取が必要である.
  • × 本人の最も楽な体位とするが,仰臥位では腹壁が緊張して疼痛を助長す
      るため,側臥位やファウラー位などが良い.
  • × モルヒネやオッディ括約筋の緊張を高め,膵液の流出を停滞させてしま
      うため用いてはならない.

【正解②③】

【問題3】
入院後10日,順調に回復し,薬物療法としてたんぱく質分解酵素阻害薬が内服処方され退院することとなった.退院後の生活指導で適切なのはどれか

  • 低脂肪食とする.
  • 低たんぱく食とする.
  • 体調によって服薬調整する.
  • 週に1度は飲食しない日を設ける.

【解説】

【正解】

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【第100回】
65歳の男性のAさんは上部消化管の内視鏡検査を受ける際,抗コリン薬を投与された.看護師がAさんに行う説明で適切なのはどれか
  • 検査直後から自動車を運転して帰宅できる.
  • 検査終了後の半日は飲食を禁止する.
  • 排尿困難が生じる可能性がある.
  • 腹痛が強くても下血でなければ様子をみる.

【解説】

  • × 抗コリン薬は散瞳作用があり,焦点が合いにくい状態となる.検査後の帰
      宅は自動車や自転車の運転は避けるよう指導する.
  • × 検査後は,咽頭麻酔が切れるまで飲食を禁止とする.麻酔が切れたら水
      分を少しずつ与えて様子をみる.
  • ○ 抗コリン薬の副作用に排尿障害があるので,可能性はある.
  • × 腹痛が強ければ,下血の有無によらず診察する.

【正解③】

【第97回】大腸内視鏡検査で正しいのはどれか

  • 検査2日前から食物残渣の少ない食事を摂取する.
  • 検査前日の夕食後から絶飲食とする.
  • 検査当日に経口腸管洗浄薬を服用する.
  • 検査直前に肛門周囲の局所麻酔をする.

【解説】

  • × 食物残渣の少ない食事を摂取するのは検査の1日前からである.
  • × 検査の前日の夕食後から食事はしないようにするため,水分は十分に摂
      取する.
  • ○ 検査当日の経口腸管洗浄薬を2ℓ服用したのちに検査を行う.
  • × 肛門周囲の麻酔は必要ない.

【正解③】

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【第97回】
食道がん術後10日の患者.三分粥食が開始されたが,嚥下時のつかえ感を訴え未消化の食物を嘔吐した.手術部位に生じている状態で最も考えられるのはどれか
  • 浮腫.
  • 瘢痕化.
  • 縫合不全.
  • 逆流性食道炎.

【解説】

  • ○ 食道がん後は禁食期間が長く手術侵襲が大きい.さらに食道には漿膜が
      なく,縫合が難しく呼吸や嚥下により安静が保持されにくい.わずかな刺
      激でもむくみやすく嚥下障害をきたしやすい.
  • × 術後10日目で瘢痕化の可能性は低い.
  • × エックス線造影により縫合不全がないことを確認してから食事が開始さ
      れる.
  • × 未消化の食物を嘔吐しているので,逆流食道炎は考えにくい.

【正解①】

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【第101回】
次の文を読み[問題1] [問題2] [問題3]の問いに答えよ.
Aさん(52歳,男性)は,2か月で体重が7㎏減少した.2か月前から食事のつかえ感があるため受診した.検査の結果,胸部食道がんと診断され,手術目的で入院した.

【問題1】
入院時の検査データは,Hb9.5dl,血清総たんぱく5.4g/dl,アルブミン2.5 g/dl,AST〈GOT〉24IU/ℓ,ALT〈GPT〉25IU/ℓ,γ-GTP38IU/ℓ,尿素窒素18㎎/ dl,クレアチニン0.7㎎/ dl,プロトロンビン時間82%(基準80~120)であった.Aさんの状況で術後合併症のリスクになるのはどれか

  • 出血傾向.
  • 腎機能障害.
  • 低栄養状態.
  • 肝機能障害.

【解説】

  • × プロトロンビン時間は正常.
  • × 尿素窒素・クレアチニンは正常.
  • ○ アルブミンが低値であるため,術後の創治癒に影響する可能性がある.
  • × AST・ALTは正常.

【正解③】

【問題2】
右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術が行われた.術後,人工呼吸器が装着され,術後2日目の朝に気管チューブを抜管し,順調に経過していたが,術後3日目に左下葉の無気肺となった.Aさんは痰を喀出する際に痛そうな表情をするが,「痛み止めはなるべく使いたくない.我慢できるから大丈夫」と話す.無気肺を改善するために適切なのはどれか.2つ選べ

  • 離床をうながす.
  • 胸式呼吸を勧める.
  • 左側臥位を勧める.
  • 鎮痛薬の使用を勧める.
  • 胸腔ドレーンをクランプする.

【解説】

  • ○ 早期離床によって痰の喀出を促進することができるので,無気肺の予防
      になる.
  • × 腹式呼吸をうながす.
  • × 左下葉の無気肺なので,右側臥位を勧めることで,肺の喀出を促進できる.
  • ○ 胸部と腹部に創があるため疼痛が強いことから,痰の喀出をうながすた
      め,鎮痛剤を有効に使用する.
  • × 胸腔ドレーンは,歩行時や排液時以外はクランプしない.

【正解①④】

【問題3】
その後,順調に回復し,術後3週目に退院する予定となった.退院後の食事の指導で適切なのはどれか

  • 「蛋白質を控えた食事にしてください」
  • 「食事は1日3回にしてください」
  • 「食事は時間をかけて食べてください」
  • 「食事の前にコップ1杯の水分を摂るようにしてください」
  • 「食後は横になって過ごしてください」

【解説】

  • × 蛋白質は十分に摂取する
  • × 術後半年程度は分割食にする.
  • ○ ダンピング症候群をおこさないために,ゆっくり時間をかけて食べるよ
      うに説明する.
  • × 水分を一緒に摂取すると,ダンピング症候群を起こしやすい.
  • × 食後しばらく座位で過ごすよう説明する.

【正解③】


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【第100回】2型糖尿病の患者の胃全摘術後における管理で適切なのはどれか.2つ選べ
  • 血糖値が安定するまでは,2~6時間ごとに血糖を測定する.
  • 1日1回ドレーンの排液の糖濃度を測定する.
  • 創の発赤が認められたら創感染を疑う.
  • 術後2日目に腸蠕動の低下を認めたら腸閉塞を疑う.
  • 排ガスが認められた日から全粥食(1,600㎉)摂取が可能になる.

【解説】

  • ○ 術後では血糖値の管理が非常に重要であるため,数時間ごとに血糖値を
      測定し,必要に応じてインスリンを投与する必要がある.
  • × 術後管理で重要なものは血糖値であり,ドレーン排液の糖濃度ではない.
  • ○ 糖尿病のある患者では,術後感染に注意を払う必要がある.創が発赤して
      いる場合には,創感染を疑う必要がある.創感染が明らかな場合には,皮
      下を開放して排濃などの処置を行う必要がある.
  • × 胃全摘などの術後2日目に腸蠕動が十分に回復していないことが多いた
      め,腸蠕動が低下していても腸閉塞を疑うことはない.
  • × 胃全摘術の術後で排ガス直後に全粥食を摂取することは困難である場合
      が多い.また,血糖値のコントロールが重要であることから誤りである.

【正解①③】

【第101回】S状結腸切除術後に最も起こりやすいものはどれか

  • 悪性貧血.
  • 排尿障害.
  • アカラシア.
  • ダンピング症候群.

【解説】

  • × 悪性貧血は,胃全摘出後の合併症である.
  • ○ S状結腸切除術では,骨盤内を操作するため排尿障害や男性の場合には,
      性機能障害がみられることが多い.
  • × アカラシアは,食道下部の平滑筋におけるアウエルバッハ神経節の先天
      的な障害により,蠕動運動の欠如や弛緩不全は起こる手術とは関連がな
      い.
  • × ダンピング症候群は,胃切除後の合併症である.

【正解①】

【第100回】ストーマのパウチ交換で適切なのはどれか.

  • ストーマと同じサイズに面板を切る.
  • パウチ周辺の皮膚は,アルコールで拭く.
  • パウチを装着する際は,患者は腹部を膨らませる.
  • 内容物がパウチ容量の8割を超えたら,パウチを交換する.

【解説】

  • × ストーマの面板に直接触れると皮膚への粘着力が落ちて,便漏れの原因
      となることから,2㎜程度大きめにカットする.
  • × 完成したストーマには消毒は不要で,ふつうのボディ石けんを使用して
      やさしく洗浄し,十分洗い流す.アルコールやアルコールが含まれている
      製品は,皮膚のかぶれの原因になるので避ける.
  • ○ 腹部のしわをのばすため,可能な人は腹部を膨らませて貼ることもある.
  • × 面板や皮膚に負担がかかるため,パウチ内に便が1/3程度たまったら捨て
      る.8割は多すぎる.

【正解①】


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【第98回】
次の文を読み[問題1] [問題2] [問題3]の問いに答えよ.
48歳の男性.職場の健康診断で大腸がんが疑われ来院した.検査の結果.下部直腸に腫瘍があり,低位前方切除術が施行された.術前に自覚症状はなく,入院や手術は初めての経験であった.

【問題1】
術後順調に経過し翌日には離床が可能となった.歩行練習をうながしたが,患者は創部の痛みを訴え拒否している.術後の痛みに対しては,硬膜外チューブから持続的に鎮痛薬が投与されている.対応で適切なのはどれか

  • 痛みのある間は,歩行できないと説明する.
  • 歩行練習は,1日延期することを提案する.
  • 痛みを気にしないで歩くように説明する.
  • 鎮痛薬を追加使用して歩行をうながす.

【解説】
硬膜外チューブの目的は,術後の痛みのコントロールなので,コントロールできる適切な量を使う.早期離床は,術後の合併症を予防するために重要であるため,疼痛緩和を図りながら計画的に進めていくことが重要である.

【正解④】

【問題2】
腹腔内に留置している閉鎖式ドレーンから褐色で悪臭のある排液が認められた.考えられる状態はどれか

  • 腸炎.
  • 腸閉塞.
  • 縫合不全.
  • 術後出血.

【解説】

  • × もし急性腸炎を発症したとすれば,出血に伴う血性の排液がみられる.
  • × 手術の影響で2~3日は腸管の麻痺がみられやすい,その後麻痺性イレウ
      スを生じたときは,腸蠕動,排ガス,排便はみられなくなる.予防として体
      位変換や早期離床をうながす.
  • ○ 縫合不全は,術後4日から1週間に起こりやすい.縫合不全が起こるドレ
      ーンからの排液は混濁し,便汁様で悪臭を発生する.
  • × 術後出血は,術後24時間以内に起こりやすく,血性排液がみられる.

【正解③】

【問題3】
その後状態は安定し退院が予定された.説明内容で適切なのはどれか

  • 便秘は浣腸で対処する.
  • 退院後1年は低残渣食とする.
  • 腹部膨満が持続する場合には受診する.
  • 排便回数は術後1,2か月で落ち着く.

【解説】

  • × 吻合部の安静を保つため浣腸は行わない.
  • × 術後,大腸の機能が回復するまでは排便障害(下痢,便秘)が起きやすい
      ので,消化,吸収のよい食事を規則正しく摂取する必要があるが低残渣食
      の必要はない.
  • ○ 腹部膨満はイレウスの可能性があるため受診する必要がある.
  • × 術後約半年から1年で排便の回数は落ち着いてくる.

【正解③】