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- 脳・神経の過去問1
【第99回】運動神経の神経伝達物質はどれか
- ドパミン
- ヒスタミン
- セロトニン
- アドレナリン
- アセチルコリン
【解説】
末梢神経の主な伝達物質は,交感神経の節後繊維のみノルアドレナリンで,他の末梢神経(感覚神経,運動神経,交感神経の節前繊維,
副交感神経)はすべてアドレナリンが伝達物質である.
【正解⑤】
【第101回】体温の恒常性を保つ中枢はどれか
- 大脳
- 視床下部
- 橋
- 延髄
【解説】
- × 大脳は運動・感覚・言語・記憶などの中枢.
- ○ 体温を調整する中枢は間脳の視床下部.
- × 橋は脳幹内の伝導路の中心であり,体温調整中枢はない.
- × 延髄は循環・呼吸・消化などの中枢.
【正解②】
【第97回】小脳機能のフィジカルアセスメントで把握するのはどれか
- 痛覚
- 振動感覚
- 温度感覚
- 平衡感覚
【解説】
小脳では,平衡感覚および姿勢や運動のコントロールを行っている.
小脳が障害されると平衡感覚が低下してよろめいたり,立ち上がろう
としても立ち上がれなくなるなど,筋緊張の低下や運動障害が
みられる.
【正解④】
【第96回】脳神経とその障害による症状との組合せで正しいのはどれか.
- 視神経 ―― 複視
- 舌下神経 ―― 舌の偏位
- 動眼神経 ―― 眼球の外転不能
- 三叉神経 ―― 額のしわ寄せ不能
【解説】
- × 視神経が障害されると視野や視力障害が生じる.複眼は外眼筋の麻痺
によるもの,水晶体の脱臼・角膜の瘢痕・硝子体の
混濁時にみられる. - ○ 舌下神経は内舌筋と外舌筋の運動をつかさどるので,麻痺により下が
麻痺側に偏位する. - × 眼球が外転不能になるのは,外転神経の障害である.動眼神経が麻痺
した場合には,眼瞼下垂や眼球が内転不能になる. - × 三叉神経は1枝が前額・眼(知覚神経),2枝が上顎(知覚神経),3枝
が下顎(知覚神経・運動神経)を支配する.表情筋は顔面神経による
支配である.
【正解②】
【第97回】脊髄で正しいのはどれか
- 小脳に連なる.
- 脊柱管内にある.
- 2層の膜で保護されている.
- 第10胸椎の高さで終わる.
【解説】
- × 脊髄は延髄から大後頭孔を介して連なる.
- ○ 脊柱管とは.脊椎骨内で脊髄が収まっている管.
- × 髄膜は3層である.
- × 脊髄そのものは成人で第1頸椎~第1腰椎下端まである.
【正解②】
【第98回】神経伝達物質でカテコールアミンはどれか
- ドパミン.
- セロトニン.
- γ-アミノ酪酸.
- アセチルコリン.
【解説】
カテコールアミンにはドパミン,ドブタミン,エピネフリン,
ノルエピネフリンなどがある.
【正解①】
【第100回】副交感神経系の作用はどれか.2つ選べ
- 瞳孔の収縮.
- 発汗の促進.
- 気管支の拡張.
- 消化管運動の抑制.
【解説】
- ○ 副交感神経刺激によって,瞳孔は収縮する.
- × 交感神経刺激によって,発汗は促進する.
- × 副交感神経刺激によって,気管支は収縮する.
- ○ 副交感神経刺激によって,消化管運動は更新し,消化吸収が促進す
る.
【正解①④】
【第101回】血栓が存在することによって脳塞栓症を引き起こす可能性があるのはどれか
- 右心室
- 左心房
- 腎動脈
- 上大静脈
- 大腿静脈
【解説】
- × 右心室は肺に血液を送る役割なので,肺塞栓症を引き起こす可能性が
ある. - ○ 左心室は脳に血液を送る役割なので,脳塞栓症を引き起こす可能性が
ある. - × 腎動脈に血栓が存在すれば腎塞栓症を引き起こす可能性がある.
- × 静脈系の血栓は右心房から右心室に運ばれ,肺塞栓症を引き起こす可
能性がある. - × 上記と同じ.
【正解①】
【第99回】心房細動で発症リスクが高まるのどれか
- 脳塞栓
- 脳出血
- 心筋炎
- 心外膜炎
- 心内膜炎
【解説】
心房細胞によって房室圧が上昇し,心房が無秩序に異所性興奮
(300~350/分)をきたすため,房室内に血栓が生じる.その血栓が血行性に移動して,脳に血液を供給している血管を
閉塞すると脳栓塞をきたす.
【正解①】

【第101回】
次の文を読み【問題1】【問題2】【問題3】の問いに答えよ.
Aさん(59歳,女性)は,午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し,嘔吐した.午前4時,Aさんは,頭痛を我慢できなくなったために,家族に付き添われて救急搬送され,緊急入院した.入院時,ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ- 1,四肢の麻痺を認めない.
【問題1】
Aさんはくも膜下出血と診断された.
再出血を防ぐためのケアで適切なのはどれか
- 深呼吸を促す.
- 起坐位とする.
- 病室を薄暗くする.
- 頭部を氷枕で冷やす.
【解説】
再出血を防ぐためには刺激を与えないことが重要であるため,病室は薄暗くする.
【正解③】
【問題2】
Aさんは,入院後に緊急開頭術を受けることになった.手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか
- 浣腸を行う.
- 排痰法の練習を勧める.
- テタニー徴候を観察する.
- 不整脈の出現に注意する.
【解説】
- × 血圧の変動をきたすため,急性期の浣腸は禁忌である.
- × 肺痰法の練習は必要ない.
- × 低カルシウムではないため,テタニーを起こすことは
ない. - ○ クモ膜下出血では不整脈を起こすことが多い.
【正解④】
【問題3】
開頭術後24 時間が経過した.JCSⅠ- 2.体温37.5 ℃.脈拍88/分,血圧138/84mmHg.呼吸数18/分,経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉 98 %(酸素吸入3ℓ/分).脳室ドレナージが行われている.Aさんへの看護で適切なのはどれか
- 両腋窩を冷やす.
- 酸素吸入を中止する.
- 起き上がらないように説明する.
- 痛み刺激を与えて意識レベルを確認する.
【解説】
- × 微熱であるため,腋窩のクーリングは不要である.
- × まだ術後24時間であるため,酸素吸入は継続する.
- ○ 脳室ドレナージが行われているため,0点が変動しないように,起き
上がらないよう説明する. - × JCSⅠ-2であるため痛み刺激を与える必要はない.
【正解③】
【第101回】頭蓋内圧亢進の代償期にある患者にみられるバイタルサインの特徴はどれか
- 呼吸数の増加.
- 体温の低下.
- 脈圧の増大.
- 頻脈.
【解説】
- × 頭蓋内圧亢進の代償期では除脈になる.
- × 頭蓋内圧亢進により視床下部の体温調節中枢が刺激されると,体温が
上昇する場合がある. - ○ 頭蓋内圧亢進の代償期では,収縮期血圧が上昇するため,脈圧は増大
する. - × 頭蓋内圧亢進による延髄の圧迫や収縮期血圧の上昇などにより除脈を
きたす.
【正解③】