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- 脳・神経の過去問2
【第100回】脳ヘルニアの症状はどれか
- 頻脈.
- 縮瞳.
- 頸動脈の怒張.
- チェーンストークス呼吸.
【解説】
- × 脳ヘルニアは,頭蓋内圧亢進によって除脈になる.
- × 動眼神経が圧迫されると縮瞳しにくくなる.
- × 頸静脈の怒張は,心不全の際のアセスメントである.
- ○ 呼吸障害としてチェーンストークス呼吸などの無呼吸や徐呼吸が起こ
りやすい.
【正解④】
【第98回】左眼に光を当てたときの正常な対光反射はどれか
【解説】
眼に入る光の強さが増強すると瞳孔は縮小する反射を対光反射という.また,片側の目に光を照射すると対側の瞳孔も縮小する(共感性瞳孔反応).
【正解④】

【第96回】
65歳の男性.数日前から軽い頭痛があり来院した.若いころから飲酒の習慣がある.1か月前に酔って転倒し頭を打ったという.高血圧の既往はない.最も考えられる疾患はどれか
- 脳出血.
- くも膜下出血.
- 急性硬膜外血腫.
- 慢性硬膜下血腫.
【解説】
- × 脳出血を起こすと突然運動麻痺や感覚障害,失語症などが起こる.
- × クモ膜下出血では突然激しい頭痛に見まわれ,嘔吐や意識消失を伴う
ことがある. - × 急性硬膜下血腫の場合は,受傷直後に一過性の意識障害があり,その
後数時間は意識が清明に戻り,再度次第に意識が混濁するという特徴
がある. - ○ 1か月前の転倒よる頭部打撲という情報から硬膜下血腫の可能性が高
い.外傷以外の原因として,アルコールの多飲・脳圧の急な低下・動
脈硬化などがある.若い頃からの飲酒の習慣という情報も有益であ
る.
【正解④】

【第99回】
次の文を読み【問題1】【問題2】【問題3】の問いに答えよ
62歳男性.妻と二人暮らし.55歳から高血圧で内服治療中.朝の散歩を日課としていたが,2日前から歩行時に右下肢がもつれる感じがあった.今朝の散歩時,立位がとれない状態になったため,妻に伴われて救急外来を受診した.頭部CTで左硬膜下血腫が脳実質を圧迫しており,緊急手術目的で入院した.入院時,意識は清明.体温36.7℃,呼吸数16/分,血圧140/70mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度97%,瞳孔両側2mm,対光反射は正常.頭痛と嘔吐とはなく,全身状態も安定していた.
【問題1】
手術開始が2時間後と決まった.意識状態に変化はない.手術が開始されるまでに最も出現しやすい症状はどれか
- 頭痛.
- 頻脈.
- 体温上昇.
- 左下肢のしびれ.
【解説】
- ○ 血腫による脳実質の圧迫があるため,頭蓋内圧亢進による頭痛をきた
す可能性がある. - × 頭蓋内圧亢進では,迷走神経が刺激されて,除脈となる.
- × 体温上昇の可能性はあるが,優先順位は低い.
- × すでに右下肢のもつれが生じているため,右下肢にしびれが起こる可
能性はあるが,左下肢のしびれの可能性は低い.
【正解①】
【問題2】
医師から手術が必要と説明を受けた妻は「右足がもつれただけで,緊急手術になると聞いて頭が真っ白になり,医師からの説明も何も聞こえませんでした.」と看護師に話す.妻への説明で最も適切なのはどれか
- 「命にかかわらない右足のことは今は考えないでください」
- 「手術は2時間後の予定ですから落ち着いてください」
- 「手術をすれば状態が改善する可能性があります」
- 「奥さんが動揺してはいけません」
【解説】
妻は緊急手術と聞き動揺しており,医師からの説明も覚えていない.
そのため,妻が手術を受け容れられるようにわかりやすく説明をする
必要がある.
【正解②】
【問題3】
左穿頭血腫洗浄ドレナージ術が施行され帰棟した.術直後の観察では,意識は刺激しなくても覚醒しているが,いまひとつはっきりしない状態である.頭痛と嘔吐とはない.体温36.7℃,呼吸数20/分,脈拍82/分,血圧190/90mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度99%.硬膜下ドレーンから,少量の排液が見られる.
術直後のアセスメントで正しいのはどれか
術直後のアセスメントで正しいのはどれか
- 血圧を下げる必要がある.
- 意識レベルはJCSⅡ-10である.
- ベッドの30度拳上が必要である.
- 頭蓋内圧亢進症状が出現している.
【解説】
- ○ 穿頭血腫除去術は局所麻酔で行われ,疼痛や恐怖のために術直後は高
血圧になることが多い.190/90mmHgは高すぎるため,降圧する必
要がある. - × 本事例の意識レベルはJCSⅠ-1である.
- × 術後の脳浮腫はおこりにくいため,ベッド拳上の必要は特にない.
- × 急性頭蓋内圧亢進の症状(高血圧・脈圧増大・除脈)は起こっていな
い.
【正解①】
【第96回】術後4日の下垂体腫瘍切除術後の患者への指導で適切なのはどれか
- 水分を制限する.
- 塩分を制限する.
- 定期的に鼻をかむ.
- 排尿量を記録する.
【解説】
- × 水分制限は不適切.
- × 塩分制限は不適切.
- × 下垂体腫瘍の手術は開頭して行うほか,ハーディの手術のように蝶形
骨洞で行う場合もある.この場合,鼻をかむと髄液鼻漏を起こす危険
があるので注意する. - ○ 下垂体腫瘍の手術後は特に抗利尿ホルモン(バソプレシン)・副腎皮
質ホルモン・甲状腺ホルモンの補充を必要とすることがある.抗利尿
ホルモンが不足すると尿崩症となるため,大量の水分補給が必要とな
る.したがって,術後は排尿量のチェックが重要である.
【正解④】

【第97回】
次の文を読み【問題1】【問題2】【問題3】の問いに答えよ.
58歳の男性.会社役員.妻と子どもとの3人暮らし.出勤途中の電車内で意識消失し,けいれん発作を起こして搬送された.検査の結果,脳腫瘍の疑いで入院した.
【問題1】
入院後,頭痛と嘔吐があり,頭蓋内圧亢進症状が認められた.起こりやすいのはどれか
- 除脈.
- 体温低下.
- 血圧低下.
- 呼吸数増加.
【答え】
【正解①】
【問題2】
検査の結果,神経膠腫と診断された.腫瘍摘出術後,放射線療法が開始された.照射部位周辺の発赤がみられ「頭が痛痒い」と訴えている.頭部の皮膚のケアで適切なのはどれか
- 冷湿布剤を貼用する.
- ぬるま湯で洗い流す.
- アルコール清拭をする.
- ガーゼで保護してテープ固定する.
【解説】
- × 放射線皮膚炎を軽減させるためには,機械的刺激や熱・寒冷刺激を避
けることが重要である.特に照射後の冷却は放射線損傷の修復を阻害
するため,行ってはいけない. - ○ 石けんは避け,微温湯を用いて指の腹で軽くさする程度の洗い流しが
よい. - × アルコール清拭は刺激が強いため不適切.
- × びらんがあればガーゼなどで保護することも考えられるが,照射部位
周囲が痛痒い状態であれば絆創膏(テープ)は避けた方がよい.
【正解②】
【問題3】
半年後,残存腫瘍の増大により意識レベルが低下し,うとうとしていることが多くなった.医師から妻に,余命2,3週と説明された.妻は毎日面会に来ている.看護師に「話しかけても答えないし,何もしてあげられないのがつらい」と涙ぐんで話した.
看護師の対応で最も適切なのはどれか
- 「面会は毎日でなくてもいいですよ」
- 「そばにいてあげるだけでもいいんですよ」
- 「お世話はすべて看護師がさせていただきますよ」
- 「今の状態ではあまり声をかけないほうがいいですね」
【解説】
妻の「何もしてあげられないのがつらい」という気持ちを受け止めた対応をする.そばにいるだけで患者が安らかでいられることを伝え,家族が最期まで十分看病できたと思えるように働きかけることが重要である.
【正解②】

【第99回】脳梗塞の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者.家族への食事介助の指導で適切なのはどれか
- 嚥下食に観点は用いない.
- 食塊は左側の口腔内へ入れる.
- 嚥下の際にむせがなければ誤嚥はない.
- ベッドの頭部拳上の角度は20度とする.
【解説】
- ○ 寒天は窒息の原因になりやすい.
- × 食事介助は患側から行い,食隗は健側の口腔内に入れる.
- × 高齢者は誤嚥しても咳嗽反射の低下からむせない場合がある.
- × ベッド拳上の高さは30度とする.
【正解①】

【第99回】左不全片麻痺患者の入浴にバスボードを用いる位置で最も適切なのはどれか
【解説】
ポータブルトイレや車いすは健側に用意,ベッドに沿うように
30~45度程度に置く.
【正解①】
【第101回】ブローカ失語のある患者とのコミュニケーション方法で適切なのはどれか
- 五十音表を使う.
- 患者の言い間違いは言い直すよう促す.
- 言葉で話しかけるよりもイラストを見せる.
- 「はい」,「いいえ」で答えられる質問をする.
【解説】
- × ブローカ失語は言葉を書くことが困難なため,五十音表を使ってコミ
ュニケーションをとることも困難である. - × 発語が障害されているので,言い直しは難しく,ストレスを与えるた
め不適切. - × 話しかけられた内容に対しては理解をしているため,イラストを使わ
なくてもコミュニケーションは可能である. - ○ 「はい」,「いいえ」を身体で表現することは可能であるため,適切
な方法である.
【正解④】

【第101回】
次の文を読み【問題1】【問題2】の問いに答えよ.
Aさん(52歳,女性)は,未婚で1人暮らしである.近くに親戚はいない.物が握りにくい,細かい作業ができないという症状があり,精密検査のため入院したところ,筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された.
【問題1】
Aさんは,球麻痺症状はなく,上肢の運動障害があるが,歩行は自立している.退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた.Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが,退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め,Aさんは同意した.訪問看護に依頼する内容で,優先度が高いのはどれか.
- 入浴の介助.
- 疾病受容の支援.
- 呼吸機能の評価.
- 上肢のリハビリテーション.
【解説】
- × 歩行可能なので入浴介助はまだ必要ない.
- ○ 「これからどのようになっていくのか分からない」と不安を訴えている
ため,疾病を受容できるような援助が必要である. - × 球麻痺症状がないため不要である.
- × ALSはリハビリテーションで治る疾病ではない.
【正解②】
【問題2】
球麻痺症状が進行したため,経腸経管栄養導入を目的に入院し,胃瘻を造設した.Aさんは,自分で胃瘻管理ができる間は,自宅で療養したいと強く希望した.Aさんも同席した上で,主治医,病棟看護師,理学療法士,退院調整看護師,介護支援専門員および訪問看護師がカンファレンスを行うことになった.病棟看護師がカンファレンスで提供する情報として最も重要なのはどれか.
- 入院中の治療の経過.
- 胃瘻管理の指導内容.
- 利用可能な在宅サービス.
- リハビリテーションの状況.
【解説】
【正解②】
自宅で療養するために最も重要な支援は胃瘻の管理である.