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- 皮膚・感覚器の過去問
【第100回】創傷の治癒過程で正しいのはどれか
- 炎症期,増殖期,退行期に分けられる.
- 創の局所を圧迫すると,治癒が促進される.
- 一次治癒とは,創を開放したままにすることをいう.
- 良好な肉芽の形成には,清潔な湿潤環境が必要である.
【解説】
- × 創傷の治癒過程の分類はいくつかある.炎症期→細胞湿潤期(増殖期
)→再形成期(成熟期),炎症期→繊維増殖期(肉芽形成)→成熟 な
ど.しかし,「退行期」という名前を使用したものはみられない. - × 創の局所を圧迫すると血流が低下して治癒が遅れる.
- × 一次治癒とは,新しくできた傷の面が互いに接着し,傷に異物や細菌の感
染がなく,傷あとが線のようにきれいに治るものをいう.「創を開放した
ままにする」のは,開放創における治癒過程であり,動物咬傷などで感染
が危惧される場合などのことで,二次治癒という. - ○ 湿潤環境の方が創傷治癒に適している.
【正解④】

【問題97回】顔面に広範囲のⅢ度熱傷を負った患者が搬送された. 最も優先する処置はどれか
- 疼痛の緩和.
- 気道の確保.
- 熱傷部位の局所療法.
- 精神的ショックの緩和.
【解説】
顔面にⅢ度の熱傷を負っていることから気道熱傷の可能性がある.気道熱傷により,浮腫が生じて呼吸困難をきたす可能性があるので,速やかに気道の確保をする必要がある.
【正解②】
【第97回】近くの物を見るときの反応で正しいのはどれか
- 両眼球の外転.
- 瞳孔の収縮.
- 水晶体の厚さの減少.
- 眼圧の上昇.
【解説】
- × 近くを見るときには両眼球は内転する.
- ○ 近くのものを見るときは中脳のコントロールにより輻輳(ふくそう)
(寄り目)反射が起こり,瞳孔を収縮する. - × 近くを見る気は水晶体は厚く(増加)なる.
- × 眼の遠近調節と眼圧には相関関係はない.
【正解②】
【第98回】緑内障で禁忌なのはどれか
- アトロピン.
- インスリン.
- フロセミド.
- ジゴキシン.
【解説】
- ○ アトロピンは副交感神経を抑制する抗コリン作用により房水通路が狭
くなり眼圧が上昇し,緑内障を悪化させるおそれがある. - × インスリンは,肝臓での糖新生を抑制し,グリコーゲン合成を促進するこ
とで,肝静脈へのブドウ糖放出を抑制する. - × フロセミドはループ利尿薬のひとつ.
- × ジゴキシンは心筋に直接作用して収縮力を高める.
【正解①】

【第97回】
次の文を読み[問題1][問題2]に答えよ.
55歳の男性.会社員.自家用車で通勤し,仕事ではパーソナルコンピュータを常時常時使用している.突然,左眼の視野欠損を生じ,眼科を受診した.診察の結果,左眼裂孔原性網膜剥離のため手術が必要であり,3日後に入院するよう説明された.
【問題1】
入院までの生活指導で適切なのはどれか
- 車の運転は問題ない.
- 転倒しないよう階段はゆっくり昇降する.
- 仕事は通常どおり行ってよい.
- 右側は見えにくいので注意する.
【解説】
- × 視野欠損があるため車の運転は危険である.
- ○ 両眼視がうまくできないため,転倒しないように注意する.階段はゆっく
り昇降する. - × 網膜剥離がこれ以上進行しないように術前はなるべく安静にする.
- × 左側が見えにくい.
【正解②】
【問題2】
予定どおり入院し,翌日に手術が行われた.手術後は患部の安静のため,うつむき体位がとられた.患者は「頸部に痛みがあり,どうしたらよいか」と苦痛を訴えた.対応で最も適切なのはどれか
- 鎮痛薬を使用する.
- 2時間ごとに体位を変換する.
- 頸部をネックカラーで固定する.
- 安楽枕で腰部と頸部の負担を軽減する.
【解説】
- × 鎮痛薬は手術部位の術後痛に用いる.
- × うつむき体位が必要なので体位変換はしない.
- × ネックカラーで固定すると疼痛は増強する.
- ○ うつむき体位をとるため,頸部痛が生じる.安楽枕やクッションを用いて
頸部や頭部の負担を軽減する.
【正解④】
【第99回】網膜剥離を起こした患者の訴えはどれか
- 「目が乾く」
- 「物が二重に見える」
- 「明るいところがすごくまぶしい」
- 「眼の中にカーテンが引かれた感じ」
【解説】
- × 眼が乾く症状が起きるのはシェーングレン症候群やドライアイなどのと
きである. - × 物が二重に見えることを複視という.眼筋麻痺や視神経の異常で生じる.
- × まぶしいと感じることを羞明といい,白内障の初期や緑内障などでみら
れる. - ○ 網膜剥離は網膜が眼底から離れた状態なので剥離した部分に相当する
視野が欠損する.
【正解④】

【第99回】
次の文を読み,[問題1][問題2]に答えよ.
85歳の女性.数年前に白内障と診断された.視力障害が強くなり転倒や衝突が多
くなったため,片眼(右眼)の手術予定で入院した.軽度認知症で短期記憶障害が
ある.
【問題1】
確認すべき眼症状はどれか.2つ選べ
- 眼痛.
- 霧視.
- 羞明.
- 飛蚊症
- 周辺視野欠損.
【解説】
- × 眼痛は白内障では起こらない.
- ○ 霧(む)視(し)とはかすんで見える状態で,白内障の主な症状.
- ○ 白内障では水晶体が混濁する.混濁の部位によって羞明を訴えることが
ある. - × 飛蚊症は,硝子体の混濁により生じる.白内障では起こらない.
- × 周辺視野欠損では,網膜・視神経の疾患により生じる.白内障では起こら
ない.
【正解②③】
【問題2】
超音波乳化吸引術・眼内レンズ挿入術の術後1日.仰臥位で右眼に抗菌薬の点眼をしようとすると,その度に「何をするのよ,怖い」と叫び,払いのける.点眼時の対応で最も適切なのはどれか.
【解説】
- ○ 点眼を急にしようとすると患者は不安になる.不安を取り除いてから点
眼をする. - × 白内障術後の感染予防は重要であるため,抗菌薬の点眼をやめることは
できない. - × 部屋を暗くすると一層不安になる.点眼の時間は暗い時間を避ける方が
よい. - × 点眼は横臥位ではしにくく,仰臥位が最もしやすい.
【正解①】
【第96回】点眼指導で適切なのはどれか
- 油性と水性では油性を先に点眼する.
- 容器の先端で睫毛に接したら点眼する.
- 点眼後は感想するまでまばたきをしない.
- 点眼後はふき綿で涙藁部を軽く圧迫する.
【解説】
- × 油性点眼薬は水性点眼薬をはじくので,水性を先に,油性は後から点眼す
る. - × 容器の先端がまつ毛に触れると,容器の中の薬が汚染されるため,容器の
先端がまつ毛の触れないように点眼する. - × 点眼後はまぶたを静かに閉じる.
- ○ 点眼後は半分が眼内に残り,半分は涙道を経て鼻腔へ,また眼外に出る.
鼻粘膜から薬物が吸収され,全身に移行して副作用が生じる可能性があ
るので,全身への影響を避けるため,点眼後涙嚢部を軽く圧迫する.
【正解④】
【第96回】伝音性難聴を起こすのはどれか.
- 老化.
- 鼓膜穿孔.
- 騒音下での作業.
- ストレプトマイシンの使用.
【解説】
- × 老化は聴神経細胞の減少に起因する感音性の難聴である.
- ○ 鼓膜穿孔によって,音の刺激が振動として伝わらなくなるため伝音声難
聴を生じる. - × 習慣的な騒音下では聴神経は長時間高音にさらされることで音の刺激の
閾値が上がり,高音以下の刺激では反応しなくなる. - × ストレプトマイシンには,第8脳神経(内耳神経)を障害する薬物性難聴
の副作用がある.
【正解②】