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- 保健師の仕事って? 具体的な仕事内容は?メリットデメリットは?
保健師の仕事って? 具体的な仕事内容は?メリットデメリットは?
- 代表的な職場での具体的な仕事内容は?(企業、役所、学校、など)
- メリットデメリットは?
ここではこのような事を解説していきます。
代表的な職場での具体的な仕事内容は?(企業、役所、学校、など)
最近では企業など様々な場所で、保健師は活躍していますが、保健師の代表的な職場といえば行政です。そのため、ここでは行政保健師としての仕事についてご紹介します。
行政の保健師といっても、厚生労働省などの国家公務員、都道府県で勤務する県職員(地方公務員)、市町村で勤務する市町村職員(地方公務員)とがあります。多くの保健師は、市町村職員として勤務しています。
国家公務員
厚生労働省や文部科学省などの省庁や地方局へ配属となり、技官として保健師助産師看護師法などの法律に基づき、看護行政等の業務に従事し、看護推進のために人材確保や看護業務の専門化や高度化の推進を図る為に、様々な事業に関する企画立案・運営などを行っています。その他、教育や養成に関する様々な事業にも携わっており、国の看護業務全体に関する管理を行っています。
都道府県職員(地方公務員)
各都道府県で勤務する事になりますが、都道府県庁内にも少数勤務していますが、基本的には保健所で勤務する事が大半となります。この保健所で行う業務は、地域保健法という法律があり、その法律で行う業務(14項目)が定められています。それらの項目を前提に、対物保健サービスや対人サービスのうち、広域的に行うサービス、専門的技術を要するサービスを行います。具体的に言うと、インフルエンザなどの感染症が広がらない為の対策や疾患予防を目的とした健康保持増進の為の知識の啓発など、広範囲を対象とした業務を行います。
市町村職員(地方公務員)
市町村職員のほとんどは保健センターで勤務しています。この保健センターは、今まで述べてきた国家公務員や都道府県公務員とは業務が大きく異なります。国家公務員や都道府県公務員は企画立案が主な業務になる為、デスクワークが主となってきます。しかし、市町村保健師は、家庭訪問や健康教育、健康診断など直接住民の方々と関わり業務を行っていきます。そのため、私自身としては保健師の業種の中で一番やり甲斐があるし、自己研鑽も出来、お勧めの業種だと考えています。しかし、最近は政令市や中核市の保健師業務は、都道府県業務の様になってきている為、就職の際は、よく調べる必要があります。
地域包括支援センター(市町村職員)
この地域包括支援センターは市町村が運営する施設で、主な業務は介護予防を目的とした事業を行っています。そのため、運動教室や機能訓練などを行っています。ただ、本来市町村行政が運営することになっていますが、市町村によって医師会などに委託している市町村もありますので、その場合の職員は公務員ではありません。
まとめ
ここでは、公務員としての保健師について説明してきましたが、公務員だけでも様々な職場に分かれており、また業務内容で考えると、さらに様々な業務へと分かれています。市町村の保健師業務だけでも、母子保健、小児保健、成人保健、高齢者保健、障害者保健など様々で、色々な知識も必要となりますが、基本は部署分けされていますので、すべての知識が必要という訳ではありません(当然ながら知識は多くあればあるほど良いですが)。そのため、保健師の活躍できる場は幅広くとても面白い職業だと考えています。公衆衛生の向上の為にも、是非志望して頂きたいと考えています。
保健師の求人の疑問 保健師って求人ある?現状は?人気職種の倍率は?
保健師の求人を探したときに
- 求人の現状は?
- 人気の求人と倍率は?
- 求人を求めるうえで抱えている問題や悩みは?
ここではこのような事を解説していきます。
保健師の求人の現状は?
保健師の就職先として主に考えられるのが行政(保健所や保健センター)であるが、平成の大合併によって市町村数の減少により求人が激減しました。しかし、近年は少しづつではありますが、行政の求人が増えつつあります。また、企業での産業保健師の募集も徐々にではありますが増加傾向にあるように思われます。しかし、看護師の様に多くの求人があるわけではありません。大体、各施設の募集人員は若干名となっており、1~2名程度の募集人員です。
人気の求人と倍率は?
保健師の就職で行政職が一番の人気であり、募集も全国であります。しかし、各行政区での募集は、大体1~2名程度の若干名であり、競争倍率は高い傾向にあります。特に東京や大阪などの都市部での行政の倍率が高い傾向にあります。次に企業での産業保健師や健診センターでの保健師、病院の地域連携室などがあります。これらも行政同様に若干名での募集であり、倍率は高い傾向にあります。
求人を求めるうえで抱えている問題や悩みは?
元々、保健師の離職率が低いことから募集が少ないにもかかわらず、大学数の増加や学生定員の増加に伴い、保健師資格取得者が大幅に増加したにもかかわらず、市町村合併や人員削減により、行政での募集人員の減少が起こっているため、就職場所の確保が難しい現状があります。また産業保健などの保健師募集も、中々募集がなく、就職が難しい現状にあります。
まとめ
求人という事では看護師と比較すると、保健師の求人はなかなか無いのが現状です。しかし、最近では厚生労働省は医療費と介護保険の費用を削減することを掲げており、予防活動に視点が変わってきている為、各市町村も保健センターや地域包括支援センターの職員を増員する傾向にあります。そのため、近年、行政保健師の募集が増加してはいます。産業保健師に関しては、大企業にしか採用されていないのが現状です。
企業保健師になる疑問 どうなる?1日流れや具体的な仕事内容は?
企業保健師になろうと思ったとき
- どういう風に産業保健師になるの?
- 1日の流れや具体的な仕事内容や給料は?
- 実習では何をするの?
ここではこのような事を解説していきます。
どういう風に産業保健師になるの?
産業保健師も行政保健師同様に保健師免許(現在は看護師免許が無いと免許が発行されません)が必要です。企業で産業保健師として働く為には、企業の採用試験に合格する必要があります。この試験は、専門試験のほか多くの企業がSPI(適性検査)を採用しています。
1日の流れや具体的な仕事内容や給料は?
各企業によって業務内容は異なりますが、ここでは、主な業務をご説明します。産業保健師はどこの企業で勤務した場合でも、必ず健診業務及び保健指導を行う必要があります。これは特定保健指導が導入され、特に保険者が実施する事と法で定められた為です。その他、工場等がある職場では、職場巡視といって工場内を見廻りし、その際に騒音や気温、湿度、照度などを計測し、労働者に対する職場環境の改善にも務める業務があります。これは、保健師資格があれば、申請により衛生管理者1種免許書が付与されるため、労働環境管理を行うことも業務としてある為です。また、銀行などではメンタルヘルスに対する対応も求められています。
実習では何をするの?
現在のほとんどの保健師の養成校では、ほぼ見学実習に近い状態にあります。実際に本学の実習も工場見学を行い、そこで労働者がどの様な環境の中で働いているのかを知り、その後、講義を踏まえ保健師がどの様な活動を行っているのかを知ることを目的に実習を行っています。
しかし、全国的に保健師の養成が選抜となり、また教育課程上、単位数が多くなったことで、今後の実習はより内容が深いものになってくると思われます。実際、本校の実習も環境測定や健診、保健指導を体験することで、就職後、即戦力として働けるよう実習を行っていく予定です。本校以外の養成校も同様の実習になっていくと思われます。
まとめ
産業保健の分野については、今まであまり主流ではありませんでしたが、メタボ健診(特定健診)の導入により、近年重要度が増してきています。そのため、業務の拡大により、大手の企業では保健師の増員が図られています。しかし、まだまだ一般的な認知が低いことから、中規模の企業での雇用は進んでいないのが現状です。また雇用に関する法整備もすすでいないため、今後の課題となっています。しかし、現在の産業保健師の雇用者数は延び続けていることから、産業保健に対する各企業の期待は増大していると思われますし、私自身も産業保健師の重要性が今後益々高まっていくと考えています。