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1)看護学における関心と意欲を高めること
2)関わりを通して対象を理解することを学ぶこと
3)看護の専門的思考過程としての看護過程を展開する経験をもつこと
4)学生自身の看護観を形成すること
4つの目的があるわね
ここでは基礎看護実習について
- 目標立て方のポイント(初日やコミュニケーション)
- カンファレンスのテーマの見つけ方、ポイント
- 事前学習で行って方が良い事
- 基礎感実習のレポート、記録の書き方のコツ
- 見学時に見るべきポイント
- 実際の感想や学んだ事
これらを解説します。
基礎看護実習目標立て方のポイント(初日やコミュニケーションなど)
1.看護基礎教育における実習の目的
看護教育において臨地実習は授業の一環として、多くの時間を費やしています。
臨地実習は、学生にとって講義や演習では学ぶことができないことを有形・無形に学ぶ機会にあふれています。
臨床実習の目的は大きく分けると、以下に示す4つがあるといわれています1)。
1)看護学における関心と意欲を高めること
2)関わりを通して対象を理解することを学ぶこと
3)看護の専門的思考過程としての看護過程を展開する経験をもつこと
4)学生自身の看護観を形成すること
そして、基礎看護学実習は、学生がはじめて患者と直接関わる実習です。
このなかでもとりわけ、学生と受け持ち患者の“関係性”の学びについては、実際に患者と関わり、思い通りにいかなかった経験や、思いの外うまくいった経験などを積み重ねる中で、授業で習ったコミュニケーションや看護学の理論を、自分自身の体験を通して、理論と実践の隙間を埋めていきながら学習していく、実習でしか学ぶことのできない内容です。
さらに、この“関係性”とは、一方的に患者の情報収集をして問題解決を図ることではなく、患者を知るというプロセスの中で、学生が自分自身を知るという気づきのプロセスが含まれています。
この気づきこそが臨地実習の目的を達成するための出発点であり、学生が看護師として成長していくための最初の到達目標です。
2.基礎看護学実習の目的
基礎看護学実習は通常3単位(1週間で1単位と考える)で、基礎看護学実習Ⅰ(1単位)、基礎看護学実習Ⅱ(2単位)と2回に分けて行なわれます。
基礎看護学実習Ⅰでは、『患者を取り巻く環境と看護の役割を理解し、患者との初歩的な人間関係を体験すること』が目的になるでしょう。
そのための実習方法として、病院や病棟のオリエンテーション、現場の看護師へのシャドウイング(ジョブ シャドウイング=職業教育の一種で、児童生徒が企業の職場で従業員に影のように寄り添い、その仕事内容や職場の様子を観察すること)、実際に患者とコミュニケーションなどが行なわれます。
基礎看護学実習Ⅱでは、『これまで学習した知識・技術・態度に基づいて、生活者である患者が健康を取り戻し、より良く生きられるために必要な看護援助を体験すること。さらに、それらの体験をもとに、看護援助を熟慮することの意味や、看護に関する自己の考え、専門職としての看護師の役割や責任について考えること』が目的となります。
それぞれの教育機関の基礎看護学実習で設定された実習目標が達成できなければ、これらの実習をクリアすることができないのは当然ですが、臨地実習では、ただ漫然と実習に出席するだけではこの実習目標を達成することができません。
臨地実習では同じ病棟で実習を行なっていても、シャドウイングする看護師も違いますし、コミュニケーションをさせていただく患者さんも違います。
また、自らが体験する看護実践も違ってくるため、学生個々が違った動きをすることになります。
もちろん、担当教員は病棟に付き添ってきてくれます。
また、病棟毎に臨床指導者として、学生の実習を調整したり学生を直鉄的に指導する役割を担ってくださる指導看護師がいます。
しかし、学生個々にずっと付き添っているわけにはいきません。
そのため、学生一人ひとりが実習目標を理解して、主体的に目標を達成するための行動に移す必要があります。
3.基礎看護学実習Ⅰの目標の記載方法
実習目標は自分が今日、実習要項に書かれている目標を熟読し、“どの目標”を、“どの程度”達成できるか、または、達成したいかを“具体的”に記入します。
実習目標に書かれていない目標であっても自分が達成したいことがある場合は、目標に入れていただいてもかまいません。
さらに前日に達成できなかった目標も加えましょう。実習目標の記入は
「達成可能な表現にする」
「目標毎に記入する」
ことがポイントです。
以下に、記載例を示します。実習記録の記載方法については、それぞれの実習オリエンテーションで説明されます。オリエンテーションをしっかり聞いて、その方法に基づいて記入してください。
**********記載例************
4.基礎看護学実習Ⅱの目標の記載方法
基礎看護学実習Ⅱでは、実際に患者を受け持たせていただいた時点から、看護過程を展開するための情報収集を行ないます。
情報収集は、学校で学んできた看護過程の枠組みに合わせて、最初はカルテから情報収集をすることになるでしょう。
ここで気をつけることは、看護過程の枠組みにとらわれた情報収集をしても、本当の患者さんがみえてこないということです。
「情報収集が終わっていないので看護過程ができません。患者さんのところにもいけません」
などという学生さんが見受けられます。
しかし、実際に患者の語る言葉やしぐさ、表情にまさる情報はありません。
可能な限り患者の側に行って情報を集めましょう。
そこからたくさんのニードを発見できるはずです。
基礎看護学実習Ⅱの目標もまた実習要項を熟読し、実習目標は自分が“どの目標”を、“どの程度”達成できるか、達成したいかを“具体的”に記入します。
実習目標に書かれていない目標であっても自分が達成したいことがある場合は、目標に入れていただいてもかまいません。
さらに前日に達成できなかった目標も加えましょう。
実習目標の記入は
「具体的に書く、特に情報収集では何の情報を集めたいのかを具体的に記入」「達成可能な表現にする。看護援助についても、自分ができる範囲を考慮する」「目標毎に記入する」
ことがポイントです。以下に、記入例を示します。
****************記入例**********
1)藤岡完治、安酸史子、村松さい子、中津川順子(2001)学生とともに創る臨床実習指導 ワークブック 第2版、医学書院、8.