
私はカンファレンスは苦手でした!

カンファレンスは苦手な人がとても多いけど、5つの原則と心構えをしっかり抑えれば大丈夫♫
カンファレンスとは
カンファレンスの目的
カンファレンス成功の5つの原則
心構え
カンファレンスとは?
“conference”とは、打ち合わせる・協議・会議・相談などの意味があります。
協議とは寄り集まって相談することです。
会議とは会合して評議すること、あるいは何かを決めるために集って話し合うことです。
相談とは、互いに意見を出し合って話し合うこと、また、他人に意見を求めることです。つまり数人の異なった意見や考えを持っている参加者によって運営され、疑問点・不明点・問題点を話し合うことです。
医療の世界では一般的に、「患者に生じている問題点について、様々な考え方を持った参加者が集まり、意見を出し合ってどうすればいいか考える検討会」を意味します。
① 疑問点・不明点・問題点を課題とする。また、その課題の解決方法を見出すことを目的としている。
② 異なった意見や考えを持っている参加者によって構成されている。つまり、価値観が違う人の集まりである。
③ 集団という機能をもっている。
2.基礎看護学実習におけるカンファレンスの目的
学生と看護ケアに携わる看護師・教員(指導教員)・臨床指導者などから構成された小集団で、”患者の問題点”そのものを検討する場合もありますが、多くの場合は学生の”学び”について討議することです。

実習カンファレンスの目標は以下の5点です。
① グループ学習として、学びを発展させる。
② 学生個々の体験や学習内容を共有する。
③ 学校での学び(理論)と臨床の知をつなぐ。
④ 看護実践の本質となるものの理解を深める。
⑤ プレゼンテーションスキルを習得する。
実習カンファレンスのもちかた
実習でのカンファレンスは、学生の実習に対する不安や課題を意識化し、学生―教員(実習指導者)・学生間で共有し、そのプロセスを通して学習への動機を高めるものです。
したがって、個々人の実習に対する不安、戸惑い、恐れなどをテーマに自由に話し合いましょう。
例えば、
「受け持ち患者とのコミュニケーションがうまくいかない」
「受けもち患者に必要な援助がみつからずどうしていいかわからない」
「受け持ち患者が必要な援助を拒否している」
「間食してはいけない患者が間食している場面を見てしまったが、学生としてどうしたらよかったか」
などなど、学生が困っている場面はたくさんあると思います。
カンファレンス成功の5つの原則
カンファレンスを成功させるためには、テーマを提供した学生だけではなく、グループ全体がきちんと意欲的に参加する必要があります。髙谷はグループワーク成功のための5つの原則を示しています。
① 独り善がりにならずに自分の考えがある高貴な自律
② 役割を引き受けて果す責任
③ 異なる意見を統合して共に働く協働
④ 個々のチームだけではなく組織全体に対する貢献
⑤ 感謝の言葉(ありがとう)、労いの言葉(ご苦労さま)、褒めることば(良かった)で表される敬意

自律、責任、協働、貢献、敬意を意識しながらカンファレンスに参加することが大切なんですね
カンファレンス参加者の心構え
もっとも重要な心構えは「自分の意見をもつ」ということです。
◇批判的に聞く
相手の言うことをうなずきながら聞くのではなく「発表者の主張の核心となる部分はどこか」「その主張を裏づける事実関係はきちんと提示されているか」「主張の論理的展開に矛盾はないか」といった点に留意しながら聞くこと。
相手の主張を批判的に聞く
② 質問を考えながら聞く姿勢をもつ。
討論のルール
討論と日常の付き合いは別。
相手の中傷は避ける。・・・・お互いを尊重する姿勢が大事!
司会者の役割
カンファレンスは学生が主体的に運営するものです。したがって司会者は、次の点に気を配る必要があります。
討論への参加者が平等に発言の機会を得ているか(討論を独占していないか、逆に全く意見を言わない人がいないか)。
② 反対意見の表明が個人攻撃になっていないか。
③ 討論の流れが本来の主題から大きくはずれていないか。
司会者の発言例
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- この点について、○○さんはどうお考えですか?
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- △△さん、ご意見を是非お願いします。
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- 今のところ、意見は大きく・・・・・と・・・・・に分けられると思いますがいかがでしょうか?
- ○○さんのご指摘はごもっともですが、今の議論のポイントとはちょっと違いますので、その件は後で改めて取り上げることにします。
★必要に応じて発言者に注意を促したり、適宜、討論の方向性を修正するのも司会者の役割です。しかし、司会者があまりにも長く発言したり、命令したりするような口調で発言をさえぎったりすることは避けましょう。
自分の意見に説得力をもたせるコツ
相手の立場を尊重する姿勢を明らかにする。
いきなり反対意見を述べるのではなく、まず相手の発表や意見の内容のすぐれた点を指摘する。
相手の意見と自分の共通点、相違点をはっきりさせた上で、その理由も述べる。
自分のオリジナルな意見を述べる。
論理的展開を心がける。
「私はとにかく・・・・と思うんです」と自分の主張を一方的に相手に伝えても説得力はない。自分の経験や歴史的事実など、具体的な事例を用いながら、筋道を立てて話すことが大切。
感情的にならない。相手(他人)の立場になって考えてみる
【引用文献】
- 1.延近久子編著:臨床実習指導のプロモーション(2版),ユリシス・出版部,154-155,1993.
- 2.髙谷修:看護グループワークは楽しいおもしろい,kinpodo,100-101,2014.
- 3.田中共子編(2009).よくわかる学びの技法(第2版),京都:ミネルヴァ書房.