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- 人体の構造と機能の過去問1
人体の構造と機能1
体温の調節機構で正しいのはどれか。
- 体温の調節中枢は脳幹にある。
- 体温が上昇すると、骨格筋は収縮する。
- 体温が上昇すると、汗腺は活性化される。
- 体温が低下すると、皮膚の血流は増加する。
【解説】
体温の調節中枢は視床下部にあり、指令が神経系と内分泌系を介して伝達されます。
骨格筋は収縮することで熱を発生させます。体温が上昇したときは、骨格筋は弛緩し、熱産生を抑制します。また体温が上昇すると、発汗が増加し、体内の熱を放出しようとします。熱放散の抑制は皮膚の血管が体温低下によって収縮する事で行われます。
【正解③】
ウイルス感染後の長期の獲得免疫に関わるのはどれか。
- 好中球
- 好酸球
- 肥満細胞
- メモリー(記憶)T細胞
【解説】
液性免疫でも可能な事は細胞外でのウイルス除去です。標的細胞に感染したウイルスに対しては、細胞性免疫が有効です。キラーT細胞の働きはおもに非自己である細胞を排除の行いウイルスに感染した細胞を破壊します。役目を終えたキラーT細胞は一部はメモリーT細胞として残り、同じウイルスに感染した場合に再び増殖し防御を固めることができるのです。
【正解④】
体表からの触診で最も触れにくいのはどれか。
- 総頸動脈
- 外腸骨動脈
- 橈骨動脈
- 大腿動脈
- 足背動脈
【解説】
外腸骨動脈は総腸骨動脈から大腿動脈へとつながる動脈で、体表からでは触れることはできません。総頸動脈は首の左右を通る動脈で、容易に触れることができます。橈骨動脈は、肘から手にかけて、橈骨に沿って流れる動脈。大腿動脈は大腿部を流れる動脈。足背動脈は足の甲を流れる動脈です。外腸骨動脈以外はどれも体表からの触診が可能です。
【正解②】
リンパ系で正しいのはどれか。
- リンパ管には弁がない。
- 胸管は鎖骨下動脈に注ぐ。
- 吸収された脂肪の輸送に関与する。
- リンパの流れは動脈と同方向である。
【解説】
リンパ管の多数の弁には、リンパ液の逆流を防ぐ作用があります。胸管が注ぐのは鎖骨下動脈ではなく鎖骨下静脈。腸管から吸収された脂質や、老廃物の運搬に深くかかわるのがリンパ管です。静脈に沿ったリンパの流れは、動脈とは逆方向。
【正解③】
成人の呼吸運勤で正しいのはどれか。
- 胸腔内圧は呼気時に陽圧となる。
- 呼吸筋はおもに吸気に用いられる。
- 腹式呼吸は胸式呼吸より呼吸容積が大きい。
- 動脈血二酸化炭素分圧の低下は呼吸運動を促進する。
【解説】
横隔神経や肋間神経を介した脳からの刺激で調節されるのは横隔膜や外肋問筋などの呼吸筋の収縮です。吸気には横隔膜と外肋間筋が収縮して内肋間筋が弛緩します。
腹式呼吸…横隔膜
胸式呼吸…外肋問筋
の働きによります。胸腔内圧は常に陰圧です。呼吸運動が促進されるのは動脈血二酸化炭素分圧の上昇時です。
【正解②】
運動神経の神経伝達物質はどれか。
- ヒスタミン
- セロトニン
- アセチルコリン
- アドレナリン
【解説】
アセチルコリンはノルアドレナリンとともに、末梢神経系で重要な神経伝達物質です。
【正解③】
副交感神経の作用はどれか。2つ選べ。
- 発汗
- 縮瞳
- 尿量減少
- 心拍数減少
- 消化管運動抑制
【解説】
副交感神経は
① 循環器系運動は抑制
② 消化器系運動は促進
③ 栄養や体力を蓄えるなどの作用
したがって解答は瞳孔収縮や心拍数減少です。尿量減少、消化管運動抑制は交感神経のはたらきによる作用です。
【正解②④】
関節軟骨を構成する成分で最も多いのはどれか。
- アクチン
- ミオシン
- ケラチン
- コラーゲン
- グリコゲン
【解説】
骨と骨のつなぎ目で骨同士がぶつかり合わないように、クッションの役目を果たしているのが関節軟骨です。軟骨の柔軟性や弾力性が失われる、変形性関節症の原因は加齢によって関節軟骨の約50%を占めるコラーゲンが減少する事から起こります。
【正解④】