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- 腎・泌尿器・生殖器の過去問2

【第99回】
成人男性の直腸診で腹側に鶏卵大の臓器を触れた.この臓器はどれか
- 副腎
- 膀胱
- 精巣
- 前立腺
【解説】
前立腺は男性の膀胱の下に存在する臓器である.男性の場合,直腸
のすぐ前に触れることができる.よって,直腸心は前立腺肥大や前
立腺がんの検査にも用いられる.
【正解④】
【第96回】男性生殖器で正しいのはどれか
- 精子は精細管で作られる.
- 精索は血管と神経からなる.
- 陰茎には軟骨用組織がある.
- 前立腺ホルモンを分泌する.
【解説】
- ○ 精子は,精巣内部の小葉にある精細管の中で作られる.
- × 精管と動静脈と神経が結合組織に包まれて精索を形成して
いる. - × 陰茎には陰茎海綿体があり結合組織に包まれている.軟骨
様組織はない. - × 前立腺は精子を活性化させるアルカリ性の液体を分泌して
おり,ホルモンは分泌していない.
【正解①】

【第101回】43歳の女性のAさんは,過多月経を主訴に受診し,子宮筋腫で単純子宮全摘術を受けた.
- 「貧血は改善するでしょう」
- 「性行為は今後ずっとできません」
- 「更年期症状が現れる可能性があります」
- 「食物繊維をとるように心がけてください」
【解説】
- ○ 子宮筋腫による過多月経は貧血を合併していることが多いので,子宮
全摘術後は,貧血が改善される. - × 膣の上端を吻合しているため,1か月健診で問題がなければ,その後
の性生活は可能である. - × 単純子宮全摘術では,卵巣は温存されるため,更年期症状は出現しな
い. - × 本手術とは直接の関連性はない.
【正解①】
【第98回】広汎子宮全摘出術後の排尿障害への対応で適切なのはどれか
- 排尿時に用手膀胱圧迫を行う.
- 残尿があるうちは飲水を制限する.
- 残尿量100mlを残尿測定中止の目安とする.
- 尿意がわかるまで膀胱留置カテーテルを使用する.
【解説】
- ○ 広汎子宮全摘出術後の排尿障害に対しては,排尿時に下腹部に手を当
てて圧迫する. - × 飲水制限はせず,日中は水分を十分とるようにすすめる.(1日の排尿
が1000ml以上になるようにすすめる). - × 残尿量が100ml以上あるときは自然排尿ごとに残尿測定を行う.残
尿測定の目安は,残尿100ml以上:自然排尿ごとに測定,残尿50~
100ml以上:2~4回/日測定,
残尿30~50ml:1~2回/日測定,もしくは不要. - × 尿意がなくても留置カテーテルを抜去し,自然排尿を促した後,残尿
測定を行う.残尿が50ml以上ある場合は,自己導尿の指導を行う.
【正解①】

【第100回】
Aさん(48歳,女性)は,子宮頸がんの手術を受けた.その後,リンパ節再発と腰椎への転移が発見され,放射性治療を受けた.現在は外来で抗がん化学療法を受けている.がん性疼痛に対しては,硫酸モルヒネ徐放錠を内服している.Aさんへの外来看護師の対応で適切なのはどれか
- 「吐き気がしても我慢してください」
- 「毎日,1時間のウォーキングをしましょう」
- 「家族に症状を訴えても心配をかけるだけです」
- 「便秘で痛みが強くなるようなら,緩下剤で調節してください」
【解説】
- × 麻薬の副作用である嘔気・嘔吐に対しては制吐剤を使用する.
- × 腰椎転移があるため,激しい運動ではなく,ストレス緩和程度にとど
める. - × つらい気持ちは表出するほうがよい.
- ○ 麻薬による便秘に対しては緩下剤を使用して対応する.
【正解④】
【第100回】卵巣がんの特徴はどれか
- 20歳代での発症が多い.
- 初期の段階では無症状の場合が多い.
- ホルモン療法には腫瘍縮小効果がある.
- ヒトパピローマウイルス感染が関与している.
【解説】
- × 20歳前後から70歳まで幅広い年齢層で発生する.
- ○ 卵巣は左右に1つずつ存在するため,1つががん化しても,もう片方が
健常であれば月経周期も正常である.そのため,初期の段階では症状
がなく,早期発見が困難である. - × ホルモン療法は,エストロゲンの分泌を抑制することによってがんを
進行しにくくする治療法. - × ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんに関与する.
【正解②】

【第96回】
35歳の乳がん手術後の患者.夫と2人暮らし.医師から退院の許可が出たが,少量の浸出液の漏出があり,患者は不安に感じている.退院の準備で適切なのはどれか
- 転院施設を探す.
- 上肢の運動で浸出液の排出を促す.
- 夫の退院への同意を確認する.
- ガーゼ交換方法の習得状況を確認する.
【解説】
- × 医師から退院の許可が出ていることから,医学的には在宅での対応が
可能と考えられるため,転院先を探す必要はない. - × 上肢の運動をすることによって症状が憎悪する可能性があるため,医
師に確認する必要がある. - × 夫も同意よりも本人の不安に対する援助が優先される.
- ○ 不安を軽減するために,自宅で必要な対処方法について具体的に指導
していく.
【正解④】

【第100回】
次の文を読み問いに答えよ
Aさん(50歳,女性)は右乳がんと診断され,手術を受けるために入院した.Aさんは夫を3年前に腎臓がんで亡くしたが,貸しビル業を引き継いでおり,経済的な問題はない.趣味はテニスである.
【問題1】
Aさんに右乳房温存腫瘍摘出術と腋窩リンパ節郭清が行われ,腋窩部にドレーンが挿入された.Aさんは,病室に戻ったころより患側上肢のだるさを訴えている.
ドレーンを挿入したAさんへの対応で適切なのはどれ.
- ドレーンは水封式吸引装置に接続する.
- 積極的な上肢回旋運動でドレーンからの排液を出す.
- ドレーン抜去時まで刺入部のガーゼ交換は行わない.
- ドレーンを抜去した翌日から全身のシャワー浴は可能である.
【解説】
- × 通常は携帯式低圧持続吸引器で管理する.血腫や浸出液・リンパ液の排
出目的で留置されるが,水封式では排液されない. - × 術後,抜糸が済んだら上肢を動かすリハビリを段階をふんで行ってい
く.抜糸が済むまではゴムボールを握るなどの運動にとどめる. - × ドレーンが入っている場合は,ガーゼ上に血性または淡血性の浸出液
がみられる.量によってガーゼ交換を行い,浸出液の量や性状を観察
する. - ○ ドレーンは通常では術後7日目に抜去し,同時に全抜糸を行うので,翌
日から浸出液の状況・創の状況をみながらシャワー浴を勧めていく.
【正解④】
【問題2】
Aさんの術後の経過は良好で,外来で抗がん化学療法を受ける予定で退院した.Aさんは患側上肢のだるさ,疲れやすさが残ると外来看護師に話した.Aさんの患側上肢の浮腫を予防する方法で適切なのはどれか
- 使い捨てカイロを患側の液窩にあてる.
- 患側上肢はなるべく動かさないようにする.
- 患側上肢のマッサージを中枢から末梢へ行う.
- 患側上肢の静脈では抗がん薬の静脈内注射を行わない.
【解説】
- × 患側上肢の浮腫やだるさは腋窩リンパ節郭清により,リンパ液の流れ
が極端に悪くなるために起こる.温めることは適切だが,直接腋窩
には当てない. - × 患側上肢を動かさないでいると筋ポンプが働かないため浮腫は増強す
る. - × 患側上肢にはリンパマッサージを行うことが効果的であるが,末梢か
ら中枢に向けて行う. - ○ 患側上肢には静脈注射だけでなく,他の注射や血圧測定なども禁忌.
【正解④】
【問題3】
抗がん化学療法が終了し,1年半が経過した.Aさんは肋骨と濃に転移が疑われ,精密検査の目的で再び入院した.Aさんは,「もうテニスはできないでしょうね.何を楽しみにすればいいのでしょう.早く夫のそばにいきたいです」と涙を流した.
Aさんが現在感じている苦痛に最もあてはまるのはどれか
- 貸しビル業を続けることの苦痛.
- 生きる目的を問うスピリチュアルな苦痛.
- 手術や化学療法を受けたことによる身体的な苦痛.
- 社会的な役割が果たせないことによる社会的な苦痛.
【解説】
- × 仕事上の問題について話していない.
- ○ 化学療法から1年半後の転移で,生きる意味の喪失感を感じている旨
の発言が聞かれている. - × 現在のところ身体的な苦痛については訴えていない.
- × 1と同じ.
【正解④】