皮下注射の適切部位、手技や方法 その後の観察ポイント

先H

筋肉内注射、点滴静脈内注射の次は皮下注射ね!

先

筋肉内注射との目的と効果の違いをちゃんと理解している?

新Q

目的と効果の違いですか?

新cry

も、、もちろんですよ、、、

先

仕方ない!ひとつひとつおさらいしていきましょう!

皮下注射

1.皮下注射とは

2.皮下注射の目的

3.皮内反応の適切な部位

4.皮下注射の合併症

5.皮下注射の実際

6.注射時の痛みを軽減する方法

7.皮下注射後の観察

8.皮下注射後の患者指導察

9.まとめ

そもそも皮下注射とは?

表皮と筋肉の間の皮下組織に薬液を注入し吸収させる注射法である。

皮下組織は、リンパ組織が発達しているため、薬液はリンパ管から吸収され全身へ作用する。筋肉注射よりもゆっくり吸収され、効果が長く続く事が特徴である。

皮下注射の目的

筋肉注射よりもゆっくり吸収し、薬効の持続時間を得る目的用いられる。インシュリンやワクチン、ホルモン剤等、適応になる薬剤の範囲は多岐にわたる。

また、患者自身が自己注射する目的で行う代表的な注射法です。

皮下注射の適切な部位は?

皮下注射は、神経や血管の分布が少なく、皮下脂肪が多く骨がない部位が適しています。

適切部位

○ワクチン等の主な注射部位は、肩峰と肘頭を結んだ上腕後面正中線下1/3の部位

○インシュリン注射等は臍部周囲5cmを除いた腹部

○3か月持続のホルモン注射等や痩せている方は、皮下脂肪の多い腹部や臀部他に、三角筋前半部や大腿前外側中央部なども注射可能ですが、大腿部は筋委縮に影響する可能性もあるため避けるようにします。

新!

適切な注射部位を選択することが大切ですね!

先

繰り返し注射している方はカルテや看護師さんに確認するといいわ。

皮下組織が少ない方は、お腹や臀部を選択する方が安全ですね!

皮下注射の合併症

皮下注射による合併症は次のようなものがあります。

・皮下血腫

・神経や筋肉の損傷(特に大腿部)

・皮下の硬結や、潰瘍形成

・穿刺時の血管損傷や、筋層への誤刺入

新Q

これらの合併症を避けるためにはどうすればいいですか?

大切なのは、皮下組織の厚さに応じた適切な刺入角度、血液の逆流の有無の確認をしっかりすること!注入時の患者の痛みの変化に十分注意を払い、変化があったら薬液注入を中止し抜針します。

先

その経過を看護師や医師に速やかに報告する!

また、出血傾向のある患者さんや、抗凝固剤を服用している方は、穿刺部から出血がいられた場合には、穿刺部を軽く抑え、止血確認を行います。

皮下注射の手技や方法

新

いよいよ手技についてですね!

先

そうね!でもまずは必要物品と薬剤の準備の確認から!

● 必要物品

・注射指示箋

・指示された薬剤

・薬液の量によって、1ml、2.5mlのシリンジを用意する

・23~27Gの注射針

・単包アルコール綿、トレイ、針捨てBOX

・注射指示箋

・指示さえた薬剤と指示量(ダイヤルのセット)

・専用の機材と穿刺針

・単包アルコール綿、トレイ、針捨てBOX

● 薬剤準備

1、注射を準備する台を環境クロス等で清潔にする。

2、石鹸を用いて十分な手指洗浄を行い、清潔なディスポ手袋をする。

3、注射指示箋を確認し、患者名・薬剤名・用量・注射方法を確認(ダブルチェック)。

4、清潔操作で薬剤をシリンジ内に準備する。

5、新しい注射針に付けかえる。

6、トレイに、注射指示箋、単包アルコール綿、薬液が入ったシリンジと針、針捨てBOX、清潔なディスポ手袋を準備する。

皮下注射の方法

新

準備できました


先H

ありがとう♫それでは、ひとつひとつおさらいしていきましょう

皮下注射の手順

1、患者さんのネームバンドの確認、氏名、誕生日等の確認を行い、注射指示箋を確認する。

2、継続して注射を行っている場合は、前回の注射部位を確認し、同じ場所を避ける。

3、穿刺部の皮膚にトラブルがないかを確認し、消毒綿で皮膚を内側から外側に向かい軽く消毒する。

4、十分に皮下組織を摘み上げ(つまみ上げた指と指の間が1cm程度を目安)針を刺します。針のさす角度は、皮下脂肪の厚さによりますが、約30度前後の角度で穿刺する。
(インシュリン専用針のように、針の長さが短い場合には、90度近い角度でも皮下組織内で針が留まるため問題ありません)

5、血液の逆流がないことを確認し、シリンジが動かないように固定反対の指で固定し、ゆっくり薬液を注入する。

6、指示された薬液を注入したらゆっくり抜針し、リキャップせず針捨てBOXに捨てる。

 

皮下注射の目的は、『時間をかけて薬剤を自然に吸収させる』ためなので、注射部位は強く抑えたりもんだりせず、穿刺部からの出血などがないことを確認し、絆創膏を貼って終了です。

繰り返し注射を行っている患者の場合には、注射部位を記録に残し、同じ部位への反復注射を避けるようにする。

患者さんの全身状態の観察

注射時の痛み、ピリピリ感、気分不快の有無の確認、穿刺部の発赤や出血等の有無や程度を観察します。
ワクチン注射などは、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるため意識レベルの変化や血圧低下の有無に十分注意する。

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引用元 糖尿病サイト

注射時の痛みを軽減する方法は?

新

これはとても気になります!

先H

それじゃ痛みを増強する要因から確認していきましょう。

皮下注射の痛みを増強する因子として主に以下の4つが挙げられます。

○皮下組織に注射針が適切な深さに達していなことによる刺入時痛
○注入される薬剤の温度、濃度、PHによる影響
○化学反応によるもの
○異物(薬液)注入に伴う皮下、骨格筋組織の異常な感覚の発生


以上のことを踏まえた上で、痛みを軽減して注射するには以下の4つのポイントを抑えて注射することが大切です。

痛みを軽減する4つのポイント

1、5㎜以上の皮下組織に注入できるよう、皮膚を摘み上げた指と指が1cm以上ある場所を選択して注射する

2、冷えたままの薬剤を注入しない(早めに冷蔵庫より出す)

3、同じ場所に繰り返し注射をしない
(インシュリン注射の場合は、注射部位を腹部や大腿部に変える事は吸収速度も変化してしまうため、腹部なら腹部の中で注射部位をずらしていくようにします)

4、薬剤をゆっくり注入する

皮下注射後の患者指導

・皮下注射は使用薬剤によって、注射後注意事項も変わってきます。そのため患者指導をしっかりして理解を深めてもらうようにしましょう。

患者指導事項
○皮下注射の目的、注射後の注意事項等の理解度を確認する。
○何の薬剤を注射しているのかを伝える。
○注射の持続時間や期間を理解してもらう。
○いつもどの場所に注射を行っているのかを再確認
○絆創膏をいつ剥がすのかを伝える。

 

特に絆創膏を貼っていることを忘れて、次回まで貼ったままでいるご高齢の方もおられるので、注意が必要です。

新Q

ふつう、剥がしませんか?

先c

剥がしちゃいけないと思う方も多いのよ。

指導は、患者さんが安心して剥がしていい時間や、剥がさないと皮膚トラブルになることを説明した方が意識化できます。そういった細かいところからから伝えていくのもとても大切です!

先H

もちろん帰宅後の注意事項を説明することも忘れないで

○帰宅後の生活上の注意事項を説明する
注射部位をもまない、強く圧迫しない、かゆくても掻かないことを伝える
・入浴は可能ですが、強くこすったりしないことを伝える
・注射後の気分不快やじんましん等が出現した場合の対応説明(連絡先等)
皮膚の発赤、疼痛、かゆみとの増強、潰瘍形成等が見られたら速やかに診するよう説明する

まとめ

 

いかがでしたか?

皮下注射は臨床で行う場面が多い注射技術です。また、工夫次第で患者さんの苦痛を軽減させる技術でもあります。

解剖整理と、注射時の留意点を復習し、患者さんに安心される技術を取得するとともに注射後に起こる合併症を予測した観察を行って下さい。