気道確保の種類や方法・胸骨圧迫・人工呼吸回数や順番のポイント

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気道確保の注意点は
頸部の過伸展は頸椎損傷を引き起こす可能生があるため注意する。
気道閉塞のおそれがあるため、あごの下の軟部組織を指先で圧迫してはいけない。
胸郭が動いているか、呼吸音が聴こえるかなど有効な呼吸かどうかを評価する。
事です。

胸骨圧迫・人工呼吸の注意点は

指の組み方は手掌の肉の厚い部分(手掌基部)を圧迫部位に置いて、もう一方の手掌を重ねる。
指先に力を入れないように指先を浮かせる必要がある。指先は組んでも組まなくてもよい。
エアマットによってエアの抜き方が異なるので、よく使用するエアマットの緊急時のエア抜きの方法を把握しておく。

胸骨圧迫は気道確保をした状態で胸郭の動きを見ながら、1呼吸に1秒かけて行う。

速く、強い吹き込みは胃に空気が入りやすくなって胃膨満をきたし、逆流、誤嚥、肺炎などの合併症を引き起こす可能性がある。

バッグを押すときの力加減は「母指と他の4指をアヒルの口の形になる程度に押してバッグをすぼませる」

1秒かけてゆっくりバッグを押しながら、胸郭の上がり具合を胃膨満がないかを同時に観察するとよい。バッグを押す手のひらで喚起抵抗を感じながら押す。

目次

気道を確保する

水平な場所に寝かせて、頭部後屈あご先挙上法または下顎挙上法で気道を確保しましょう。
(意識のない患者は舌根沈下により気道が閉塞している)

頭部後屈あご先挙上法による気道確保

一方の手掌を患者の前額部に当て、押し下げるようにして頭部を後屈させる。他方の手の指先をあごの骨のある部分に当て、あご先を挙上しましょう。

頸部の過伸展は頸椎損傷を引き起こす可能生があるため注意しましょう。
気道閉塞のおそれがあるため、あごの下の軟部組織を指先で圧迫してはいけないわよ。

下顎挙上法による気道確保

患者の頭側から両手で左右の下顎骨をつかみ、あご先を上方に引き上げましょう。
頭頸部の外傷、頸椎症がある患者、またその疑いがある場合に有効です。頭部後屈あご先挙上法を行うと、悪化する可能生があります。義歯はあらかじめ外しておきます。

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引用元 ひたちなか東海広域事務組合

呼吸状態を観察する

気道確保した状態で、患者の鼻と口に耳を近づけて、呼気の音を聴く。同時に、胸部の上下動を確認しましょう。

短時間での観察が要求されるため、同時に行ないます。気道確保と呼吸状態の観察は10秒以内に行ないます。

脈拍を確認する

頸動脈を触知し、10秒以内で脈拍の有無を確認する

心肺蘇生に熟練している者のみが実施します。脈拍確認の手技に自信がもてない場合は呼吸の観察に専念し、正常な呼吸がみられなければ心肺停止とみなしてただちにCPRを開始します。脈拍の確認に手間取って迅速なCPR開始を遅らせてはなりません。

  • 示指、中指を、のどぼとけに当て、手前に少しずらしていくと、頸動脈を触知できる
  • 呼吸がある場合、回復体位をとらせる

回復体位は舌根沈下や、気道分泌物や嘔吐をした際の吐物の誤嚥を防止する体位である。

胸郭が動いているか、呼吸音が聴こえるかなど有効な呼吸かどうかを評価することが大事ね

正常な呼吸がないか異常な呼吸(死戦期呼吸)が認められ、脈が触れない場合は、心停止と判断し、ただちにCPRを開始しましょう。

(死戦期呼吸:あえぎ呼吸とか下顎呼吸ともいわれ、子どもが激しく泣いた後にしゃくりあげるように息を吸うような反応を指している。心停止直後に現れることが多いです。この「呼吸があるように見える」状態を「呼吸がある」と捉えて何もしないと、救命率が下がるため、いち早くCPRを開始することが望ましいです。

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引用元 横浜市消防局

手順

胸骨圧迫を行う

呼吸停止が確認されたら、すぐに胸骨圧迫を開始する。圧迫部位:胸骨上で、胸骨の下半分あるいは胸の真ん中である。

呼吸が停止しているということは、循環も停止しているというサインである。

いち早く胸骨圧迫が開始できるよう圧迫部位を探す時間を短縮する。胸骨以外の部分は、骨折や臓器損傷の可能性があるので注意しましょう。

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引用元 北海道医師会

姿勢:胸骨に対して垂直に圧迫する

垂直に圧迫しないと圧迫の効果が不十分になる可能性があります。

指の組み方

手掌の肉の厚い部分(手掌基部)を圧迫部位に置いて、もう一方の手掌を重ねるといいわね。
指先に力を入れないように指先を浮かせる必要があるけど、指先は組んでも組まなくてもいいわよ。

  • 強さ:5cm以上胸が沈むくらい
  • スピード:少なくとも1分間に100回のテンポ(有効な循環を維持するための強さとスピードである)
    2人以上で胸骨圧迫ができる場合は2分ごとに交代で実施することが望ましい(1分間行うとかなり疲労するため、有効な圧迫回数が減少するといわれている)
  • 30回の胸骨圧迫後、10秒以内に2回の人工呼吸を行う。このサイクルを患者の循環が回復するため中断せずに繰り返す。

圧迫と圧迫の間は、胸骨を押す力を完全に抜いて胸壁が元の高さに戻るようにします。(胸壁が元の高さに戻ることで静脈血が心臓に戻り、有効な心拍出量が得られる)

  • 患者の背面が柔らかい場所の時は、背版(バックボード)を使用する。
    人手が集まれば挿入する(質のよい胸骨圧迫を実施するため)
    エアマットの場合は、速やかにCPRボタンを押してエアを抜く。

エアマットによってエアの抜き方が異なるので、よく使用するエアマットの緊急時のエア抜きの方法を把握しておくことが重要ね。

人工呼吸を行う

  • 感染防止のための防護具がない場合や、人工呼吸の技術に習熟していない者の場合、人工呼吸は実施せず胸骨圧迫のみでよいとされています。
  • 人工呼吸の開始前に口腔内を観察し、吐物や異物がある時は、それらを取り除く
    義歯や差し歯は処置中に外れたり、折れる可能性があるので、可能な限り除去して行う。
人工呼吸のポイント

気道確保をした状態で胸郭の動きを見ながら、1呼吸に1秒かけて行うといいわね。
速く、強い吹き込みは胃に空気が入りやすくなって胃膨満をきたし、逆流、誤嚥、肺炎などの合併症を引き起こす可能性があるため注意が必要よ。

口腔内の吐物や異物、不安定な義歯や差し歯を誤嚥したり、それらで窒息しないよう注意する。

〈口対口人工呼吸〉

携帯型フェイスシールドを患者の顔にかぶせ、その上から患者の鼻をつまみ、自分の口と患者の口を密着させる。

感染を避けるため、極力携帯型フェイスシールドなどの個人防護用具を使用します。

胸郭の動きを見ながら、1回1秒かけて胸が上がる程度息を2回吹き込む。
気道確保が不十分な時には胃に空気が入りやすくなり、胃部の膨満を引き起こしやすくなる。この場合、心窩部が膨張してくる。

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引用元 日本救急医療財団

〈ポケットフェイスマスクによる人工呼吸〉

ポケットフェイスマスクを患者の鼻と口に当てる
胸郭の動きを見ながら、1回1秒かけて、胸が上がる程度息を2回吹き込む。

〈バッグバルブマスク(BVM)による人工呼吸〉
  • 救急カートに常備されているバッグバルブマスクはCPR開始早期に有効な換気方法である。
  • 1人で行う方法と2人で行う方法があるが、前者の場合、マスクから空気漏れがないよう換気するための手技の習熟が必要である。

患者の鼻と口を十分覆えるサイズのマスクを選ぶ。しっかりと装着されている義歯は外さなくてもよい。

送気料は、バッグ(成人用の容量1,600mL)が1/3へこむ程度、送り過ぎると胃に空気が入りやすくなるので、バッグ全体を押しつぶさないように注意する。

1秒かけてゆっくりバッグを押しながら、胸郭の上がり具合を胃膨満がないかを同時に観察するといいわね。バッグを押す手のひらで喚起抵抗を感じながら押すこと。

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1人で行う場合 

EC法でマスクを顔面に密着させる。
1回1秒かけて胸郭の動きを見ながらバッグを押す。
送気時に胸郭が上がり、呼気時に沈むことを確認する。

バッグを押すときの力加減は、「母親と他の4指をアヒルの口の形になる程度に押してバッグをすぼませる」と覚えるといいわよ。

2人で行う場合
  • 1人は患者の頭側に立ち気道確保しながら両手でマスクを顔面に密着させる(母指球法)。もう1人が1回1秒かけて胸郭の動きを見ながらバッグを押す。
    送気時に胸郭が上がり、呼気時に沈むことを確認する。

    母指球法:母指球でマスクを顔面にフィットさせ、他の4指を顎関節にかけて下顎挙上を保持する。